投信運用の手数料が成功報酬になると投資家は幸せになるか?

Last Updated on 2020年2月23日 by ぷーやん

投信運用の手数料が成功報酬になると投資家は幸せになるか?

世の中に星の数ほど林立する投資信託だが、まあよくこれだけ次から次へと登場するもんだ。

投信運用の手数料が成功報酬になると投資家は幸せになるか?

どれが良い投資か選ぶにも、その数の多さだけで疲れてしまうが、まず考えるのは信託報酬だろう。

信託報酬というのは、投信を買うと、その後の運用が儲かろうが損をしようが必ず取られる手数料。

儲かって取られるのならまだしも、運用が失敗してがっつりヤラレたにも関わらず、更に手数料を取られるのだから、お金を預けた人にとってはたまったものでない。

「人の金を飛ばして、手数料まで持っていくのか!この極悪人め!」と怒る気持ちはよくわかるが、悲しいことに金融の世界とは堅気の世界とは違い、なんでもありのヤクザ社会なのである。

そんな中、農中系ファンドが、加入すると儲かろうが負けようが必ず取られる信託報酬を、儲かった時だけ手数料を取る成功報酬型のファンドを販売するという。

えっ、ファンドが成功報酬?マジか?

投資信託は、大きく分けてインデックス系とアクティぐ系に2分されるが、今回の成功報酬型ファンドは、アクティ系だという。

成功報酬の理由はインデックスに勝てないアクティブファンドを買ってもらいたいから

アクティブ運用は、投資戦略を考えて銘柄選択などをするのに頭の良い人達を雇って設計させる必要があり、インデックスみたいに市場平均に連動させる銘柄選択を機械でぐるぐる回して作るのとは違い手間が掛かる。

頭の良い人達は 、市場より儲かる商品を作るために、あれこれとアルゴリズムをいじくりまわすが、戦略の構築が複雑になればなるほど、一見凄そうなアルゴリズムは占いレベルに近づいていく。

AIを使って世界中の8,000銘柄に最適な分散投資を行うスーパーアルゴリズムを採用!とかいってるファンドがあったけど、単純にバンガードのVTIというETFを買えば、勝手に世界中の8000銘柄に分散投資してくれるので、これ一本買えば済む話だ。

しかし、なんちゃってAIを金科玉条の如く崇める人にとっては、AIによるスーパーアルゴリズムというフレーズは刺さるのであろう。

いずれにしろ、運用で失敗した時は運用手数料をもらわず、儲かった時だけ運用手数料をもらうというのは、投資家目線からいったら至極当然のことではある。

今まで金融界というのは、情弱な人からいかに多くのお金を巻き上がるかにフォーカスしていたが、これも時代の流れだろうか、運用の成功報酬という、ファンド運用者にとっては絶対にやりたくないことが、表に出てきたのだ。

これを突破口にして、第二、第三の成功報酬型のファンドが出てくるのか、それとも成功報酬とうたってはいるが、規約の一番最後のページに虫眼鏡でないと見えないような小さい字で、「運用状況によっては手数料が無料にならない場合もあります」などと書かれているのだろうか。

気になる方は、4月に売り出す農中系のファンドを調べてみよう。

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