一部の銘柄に引っ張られる日経平均株価の不思議

昨年のコロナ相場で日経平均株価は13%も上昇した。

コロナ菌のパンデミックにも関わらず株は上がったが、喜んでいるのは証券会社と一部のごく限られた投資家だけである。

日経平均が上がっていると聞くと、全部の株が上がっているように思うが、実は株が上がっていると言っても、実際に上がっているのはほんの一部の銘柄だけだというのを知らない人は多い。

これはアメリカのS&Pでも同じ事で、米国株が全部上がっているのではなく、GAFAなどの一部の銘柄が全体を引っ張っているに過ぎないのだ

日経平均株価は日本を代表する225銘柄で構成された平均株価である。

しかし225銘柄すべてを単純平均すると、実は昨年はマイナス5.5%になる。

えっ、日経平均株価は昨年プラス13%じゃなかったの?

この理由は特殊な算出方法にあり、株価が高い銘柄が日経平均に与える寄与度が大きくなってしまうことに原因がある。

日経平均の寄与度が高い銘柄は、ファーストリテイリングやソフトバンク、エムスリーなどがあり、この3銘柄の株価だけでも30%~180%と鬼の様に株価が上がっている反面、その他大勢の銘柄はたいして上がっていないか、逆にマイナスになっているのである。

コロナ禍では一部のテック企業や巣篭り企業が伸びて、旅行、運輸などそれ以外の企業は悲惨なほど低迷するというようにマーケットは完全に二分されている。

そしてこの傾向はコロナが終息するまではしばらく続きそうな感じだ。

日経平均株価は、日本のマーケット全体を表しているというベンチマークではもはやなくなってしまった。

日経平均株価をTOPIX指数で割るNT倍率は、今まではある一定のレンジを上下していたが、最近では一方的な上昇を続けているのもこうした構造的な変化によるものだ。

この影響をまともに受けたのが225先物とTopix先物を使ったロングショート戦略。

今までNT倍率を使い「割安を買って割高を売る」ようなロングショートが全く機能しなくなってしまい、この戦略で飯を食っていたトレーダーは根こそぎ絶滅してしまった。

従来なら明らかに高い水準のNT倍率のタイミングで逆張りにロングショートを仕掛けることで利益を出していたのに、今では更に踏み上げられ大損を被るという事態に陥っている。

現在のNT倍率は15.4倍にも上昇し、史上最高値を更新中である。

上記のグラフは2008年からのNT倍率だが、一方的にNT倍率が上昇しているので、単純に225先物を買ってTopix先物を売るというロングショートを組んでずっと保有しているだけで、大きなドローダウンに遭遇することなく、極めて安全に運用できたことになる。

しかしNT倍率が未来永劫、上昇を続けることはあり得ないので、現在の日経平均を引っ張ってる一部のテック企業や巣篭り企業が大きく調整局面に入ってくると、NT倍率は一気に下落する展開になるだろう。

日経平均を引っ張るファーストリテイリングの株価がどんどん下がってきたのはこうした兆候の始まりであろうか?

画像に含まれている可能性があるもの:自然

今後は日経平均の寄与度が高い銘柄の値動きをよく観察しておこう。

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