東京都知事選は有名人の独壇場と売名行為の温床

Last Updated on 2024年6月16日 by ぷーやん

東京都知事選が始まり、小池百合子知事が3選を目指して出馬した。

都知事選は他の地方選挙と一線を画す特異な選挙だ。その特徴は、有名人の当選率の高さと、選挙に立候補する「よくわからない」人物たちの乱立である。

これには、東京都という巨大都市の特性と、現行の選挙制度が深く関わってる。

東京都知事選では、有名人が圧倒的に有利で、最大の理由は、選挙期間が約2週間と短いため、有権者が1000万人を超える東京都民に自分の顔と名前を認知させるのが非常に難しいからだ。

東京都は日本の政治、経済、文化の中心地であり、情報が溢れる都市。限られた選挙期間で、無名の候補者が広範囲に認知されるのはほぼ不可能だろう。

そのため、最初から知名度の高い有名人が有利となる。彼らは既にメディア露出が多く、名前を知られているため、選挙運動においても有利な立場に立てるのは当然のことだ。

メディアは選挙報道においても有名人を取り上げがちだ。これは、視聴者や読者の関心を引くためであり、結果として有名人候補の露出が増え、さらに認知度が高まるというループになっている。

東京都知事選には、毎回多くの「よくわからない」候補者が名を連ねる。その理由の一つは、明らかに売名行為だろう。東京都知事選に立候補することで得られる宣伝効果は、ビジネスにおいて非常に有利に働くことが多い。

落選しても、「東京都知事選に立候補した」という肩書きはビジネスにおいてインパクトがあり、特に、自営業や著述業、講演活動などを行う人物にとって、この肩書きは信頼性や知名度の向上に繋がる。

供託金300万円を支払えば、選挙運動期間中、政見放送や選挙公報、新聞広告、ポスター掲示版などを通じて自身の名前を広めることができる。これらの費用は公費負担で賄われるため、個人が全額負担する必要はない。300万円の供託金は、東京都という巨大なマーケットで自分の名前を売るための、コストパフォーマンスの高い広告宣伝費と言えるだろう。

現在の選挙制度では、投票率の1割未満だと300万円の供託金が没収されるが、この制度は、当選の意思がない立候補者を妨げるためのものだが、東京都ではこの制度が十分に機能していないのが現状だ。

大都市東京では、300万円の供託金が没収されても、それ以上の宣伝効果を得ることができるため、供託金の没収が必ずしも立候補の抑止力にはなっていない。

東京都知事選は、短期間での選挙運動の難しさや、現行選挙制度の特性から、有名人が圧倒的に有利な選挙。また、売名行為を目的とした立候補が後を絶たない背景には、供託金の没収制度が十分に機能していないことや、公的支出による選挙運動費用の軽減がある。

この選挙制度が続く限り、東京都知事選は今後さらに「謎の立候補者」が続出するだろう。

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