Last Updated on 2024年9月18日 by ぷーやん
運用には「投資」と「投機」の2種類あると言われている。
見方が大きく分かれているが、このブログでご紹介している運用方法は一般的に「投機」と言われるものだ。
「投機」と聞くと思わず「眉をひそめる」人も多いだろう。
では「投機」とは何であろうか?
米国経済が成功を収めているのは、かなりの部分、株式市場に投機資金が流入してることの結果だ。
投機資金が流入しているため、新興企業は株式を公開でき、古くからの企業は合併でき、企業の設備投資が活発になり、投資家は儲けることができる。
一方、「投機家は経済の寄生虫」と言う人もいる。
貪欲と恐怖に突き動かされて金融危機を生み出し、金融危機によって焼け太りする利己主義者であり、自分の欲望に踊らされる愚か者であると・・・
これに対して、欧米の経済学者を中心とする人たちは正反対の見方をし、「投機」は基本的に経済に好影響を与えるものであり、資本主義の経済体制が適切に機能するために不可欠なものだという見方である。
投機家がいなければ、市場のあちこちが円滑に機能しなくなり、経済危機がもっと頻繁に起こるようになるという。
投機という言葉の意味は実に漠然としている。
アダムスミスによれば、利益を得られる短期的な機会があれば、何であれ追及しようとするのが投機だという。通常の商人であれば、投資先はほぼ固定しているが、投機家の投資先は一定していない。
経済学者のケインズによれば、投資とは事業全体にわたって利回りを予想する活動であるのに対し、投機とは市場の心理を予想する活動であるという。
投機は通常市場価格の変動から利益を得ようとする試みで、従って値上がり益を期待して継続的な収益を無視するのは投機的であり、投機は売買を積極的に行うものだが、投資は一般的に受動的である。
また経済学者のシュンペーターによれば、投機家と投資家の違いは、短期売買の意図があるかないかにある。つまり株価の変動から利益を得ようとするかどうかにある。
投機と投資を隔てる壁はごくごく薄いので、投機とは失敗に終わった投資であり、投資とは成功を収めた投機だとも言われる。
投資の第一の目的が資本を維持することであるのに対して、投機の第一の目的は資産を増やすことにあり、この点で両者を区別できると述べている。
投機とは少額の資金を巨額にまで増やそうとする試みであり大抵は失敗する。投資とは巨額の資金が少額になるのを防ごうとする試みであり、成功する可能性が高いという。
投機で勝つ方法
投機で勝つためには、貪欲と恐怖心を制御しなければならないと言われることが多い。
投機家のジョージソロスは、目覚ましい成功を収めてきた理由として、自分がいかに間違いやすいかを痛感している点を挙げている。
ドストエフスキーは賭博中毒であったが、妻への手紙で、ルーレットで成功する秘訣は、バカみたいに単純に考えること。そしてゲームの始めから終わりまで常に自己を制御し興奮しないことだと書いている。
投機という言葉は英語では「スペキュレーション」といい、元々の意味は、しっかりした事実の裏付けを持たないということ。そしてスペキュレーターの意味は、秘術の観察や研究に凝っている人を意味した。
ポートフォリオの一部としての投機
投機の対象は、株式、オプション、先物、コモディティ(商品)、暗号通貨などのボラティリティ(価格変動)が大きい資産クラスだ。
これらの資産は短期間で大きな利益を得る可能性がある一方で、同様に短期間で大きな損失を被るリスクも当然高くなる。
一例として、「投機」は、投資ポートフォリオの一部として戦略的に組み込み、例えば、ポートフォリオ全体のリスクの一部として、投機的な資産に10-20%を割り当て、残りの80-90%を安定した資産(株式、債券、リートなど)に投資する方法がある。
これにより、全体的なリスクを制御しつつ、高いリターンを目指すやり方だ。
ヘッジ手段としての投機
「投機」はリスクを増大させる一方で、リスクヘッジの手段としても使用する場合もある。例えば、ある投資が不利な方向に進んだ場合、その損失をカバーするために、オプションや先物を使って対策をする場合などだ。
これにより、特定のリスクを管理しつつ、リターンを最大化させるやり方だ。
投機の位置づけは、個人のリスク許容度、市場の状況、および経済の状況に応じて変化する。
例えば、低金利の環境では、より高いリターンを追求するために、よりリスクの高い投機的資産に資金を移す一方で、経済が不安定な時期には、より安全な資産への資金を移動させる。
資産運用において投機は、リスクとリターンのバランスを考慮した上で、高リスク・高リターンを追求する戦略の一つだ。
ポートフォリオの一部として慎重に活用することで、潜在的な利益の拡大を図ることができる一方、過度に依存することはリスクの増大につながる可能性があるため、個々のリスク許容度に応じた適切なバランスが重要になる。
統計的分析と定量的アプローチ
僕は、一般的な市場の通念や伝統的な分析方法に疑問を持ち、科学的な検証と独自の分析を重視している。
株式市場や投機に関する定量的な分析手法を用い、市場の規則性やパターンを探し、それを活用してトレーディング戦略を構築する方法をいつも探している。
市場は決して効率的ではなく、むしろ不規則で混沌としたカオスだ。そしてそのカオスの中で法則性のあるパターンを見出すことが成功の鍵だと考えている。
リスクと失敗の重要性
リスクを取ることの重要性と、それに伴う失敗から学ぶことの価値は大きい。
僕自身も何度かの大きな失敗を経験し、それらの経験がいかに自分を成長させ、そしてより良い投資家になれると信じている。
そして失敗を単なる敗北と捉えるのではなく、成長と学びの機会として捉えるのが極めて重要だと考えている。
PS
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