ドル円相場と聞けば、多くの人々が思い浮かべるのは過去10年ほどの為替チャートであろう。
しかし、この通貨ペアの歴史は、実に140年もの長きにわたる。
明治時代、1874年(明治7年)に初めて記録された公式なドル円相場は、驚くべきことに「1ドル=1円」というものであった。現代の為替相場を見慣れた目には、あまりにも隔絶したその数字に驚く。
この「1ドル=1円」というレートは、当時の国際基準に基づいて定められたものだ。
当時、日本では1円を金1500ミリグラムとして発行し、アメリカでは1ドルが同じく金1500ミリグラムとされていた。
金本位制が成り立っていた時代、日米間の通貨価値は金の量を基準としてほぼ等価に置かれていたのである。
しかし、日本国内で実際に使用されていたのは主に銀貨であった。当時の日本には十分な金の蓄えがなく、貿易や国内経済では銀が主導的な役割を果たしていた。その名残が「銀行」という言葉に表れている。
しかし、この1ドル=1円という「超円高」の時代が長く続くことはなかった。
やがて日本は歴史的な戦争の波に飲み込まれ、戦費調達のために大量の通貨発行を余儀なくされる。
日清戦争、日露戦争、そして第二次世界大戦。戦火をくぐり抜けるたびに円の価値は下落し、終戦直後には1ドル=15円、さらに数年で1ドル=270円という暴落へと転じた。経済が荒廃した日本では、ハイパーインフレが発生し、円は徹底的に叩き売られたのである。
その混乱を経て、日本の為替相場は1950年代に1ドル=360円という固定相場制へと移行する。
この「360円」というレートは、日本が経済復興を遂げるための土台となった。円安を背景に日本製品は競争力を増し、世界市場を席巻。日本は経済大国としての地位を確立していく。
アベノミクス前から今まで、ドル円相場は、70円台から160円台まで動いた。現代人にとっての「円高」や「円安」は、極端な場合でも1ドル数十円単位の変動に過ぎない。
しかし、140年の歴史を遡ると、円はかつて1ドル=1円という始まりから、1ドル=360円という史上最安値、そして70円台の円高、そして再び160円台へと劇的な変遷を遂げてきたのである。
この長大な歴史を振り返ると、現在の為替相場がいかに時代とともに揺れ動いてきたか、その壮大な物語を垣間見ることができる。
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