Last Updated on 2025年10月9日 by ぷーやん

ドル円と円ドルの視覚的な欺瞞:日本円の価値下落を直視せよ
私たちが日常的に目にする為替チャートは、ほとんどがドル円(USD/JPY)だ。
これは1ドルあたり何円かを示すレートであり、このチャートが上昇しているとき、それは円安、つまりドルに対する円の価値が下がっていることを意味する。
しかし、この「上昇」という動きこそが、国民の危機感を麻痺させている根本原因だ。
チャートが上向いていると、感覚的に「状況は上向いている」「良くなっている」と誤認しやすい。円の価値が急速に下がっているという冷徹な事態を、チャートの「上昇」というポジティブなイメージで見てしまい、円がどんどん安くなっていっているという感覚がいまいち感覚的にわからないのだ。
円ドルチャートが示す「円の暴落」
ここで視点を反転させ、円ドル(JPY/USD)チャートを見てみるべきだ。これは1円あたり何ドルかを示すレートである。
円ドルチャートを見ると、風景は一変する。
2011年の円高ピークを境に、チャートはガンガンと急角度で下がり続けている。この凄まじい下落曲線こそが、円の価値がガンガンと希薄化している現実を、誰の目にも直感的に理解させる。
この下がり続けるチャートは、日本円の購買力が失われ続けている証拠であり、「円が希薄化し、このチャートがこれからもさらに下がり続ける」という恐怖を視覚的に訴えかける。
株高の裏側で進む円の凋落
現在、高値相場で株が上がっているからといって喜んでいる場合ではない。
株が上がるという現象は、円の価値がますます安くなっていくことと同時に起きている場合が多いのだ。いくら株価が上がっても、それに伴ってインフレも上がり、そして円の価値はますます下がる。
この円ドルチャートを見れば、一般の人にも「日本円がやばい」ということはすぐにわかるはずだ。
にもかかわらず、マスコミがテレビで放送するのは、ドル円の上昇チャートばかりである。これにより、円安が進み、円がやばいという感覚がなかなか普通の国民には届かない。
国が円ドルチャートを使わない理由
なぜ彼らは、円の暴落を直感的に理解させる円ドルチャートを使わないのだろうか。
おそらく、国(為政者)にとって都合が悪いからだ。
円ドルチャートを見せて、円がどんどん暴落しているのを直感的に分からせてしまうと、国民が「日本円がやばい」と思えば、一斉に日本円を売って外貨に替える、いわゆるキャピタルフライトが起こるのは当然だ。
現に、今でさえ株式投資家は日本円や日本株など買わずに、オルカンやS&P 500といった海外資産を積極的に買っている。
これも立派なキャピタルフライトだ。海外の株を買うには、日本円をドルに替えなければならない。つまり、ドル円を売ってドルを買うという行為が、もはや日常茶飯事に起きている。
恐怖を感覚的に身につけよ
これからは、円ドルチャートをよく見て、視覚的に、円が安くなるという恐怖を感覚的に身につけた方がいい。
視覚的にその現実を刻みつけることで、自らの資産を防衛する意識を研ぎ澄ませるべきだ。
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