Last Updated on 2025年10月30日 by ぷーやん

今朝のニュースでオーストラリアとニュージーランドの長期金利が逆転した話、知っているだろうか 。
「金利が逆転?それがどうしたの?」と思うかもしれないが、これは実は世界経済にヤバいことが起きる前触れかもしれないと、専門家の間で大騒ぎになっている。
なぜ大騒ぎ?「炭鉱のカナリア」とは何か?
普通、経済の規模が小さいNZ(豪州の約7分の1)は、債券市場の流動性が低く変動率も高いことから、投資家はリスクプレミアムを求め、豪州よりも長期金利が高くなるのが通常である。
ところが今、NZの金利が豪州の金利を下回るという、通常とは逆の異常事態が起きている。この金利差は、実に5年ぶりの大きさである。
これがなぜヤバいサインかというと、過去を振り返ると、この金利逆転は大きな金融危機やショックが起きる前に何度も見られてきたからに他ならない。
例えるなら、炭鉱のカナリアと同じことである。
昔、危険な炭鉱では、毒ガスに敏感なカナリアを連れて行き、カナリアが鳴きやんだり倒れたりすると、「ヤバい、毒ガスが来ている!」とすぐに避難した。
このNZ・豪の金利逆転こそ、次に世界経済を襲う大きな後退を教えてくれる「隠れたカナリア」であると見られている。
過去にこの「カナリアの鳴き声」が聞こえたのは…
- リーマン・ショックの時(2008年)
- 欧州債務危機の渦中にあった時
- コロナショック(2020年)で経済が混乱した時
つまり、この現象は、世界経済が急ブレーキを踏む前触れとして、何度も現れてきたのである。
金利が逆転した背景:中央銀行の動きの違い
この金利逆転が起きた背景には、両国の中央銀行(中銀)の動きの違いがある。
- NZ準備銀行は、豪州よりも先に動いた。2022年から利上げを始め、政策金利を5.5%まで引き上げ、その後も豪州より約半年早く金融緩和(利下げ)に踏み切ったのである。
- 対照的に、豪準備銀行は利上げ局面での政策金利の最高が4.35%にとどまった。
- 専門家は、「NZは経済規模が小さいため外部環境に左右されやすく、悪影響が出る前に金融政策を機動的に調整している」と指摘し、「NZ中銀の政策転換は一種の先行指標となってきた側面がある」と分析している。
このNZ中銀の機動的なハト派的姿勢が、今回の金利逆転を後押しした要因である。
今後何が起きる?
この金利逆転は、世界経済が減速する兆候である 。
この「炭鉱のカナリア」の鳴き声が、過去のような大きな危機につながるのか、それとも小さな警告で終わるのか、今後の為替やニュースをチェックしていく必要があることは間違いない。
この金利逆転の状態は長期化するとの観測もあり、私たちは次に訪れる経済の後退期に備えるべきである
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