Last Updated on 2026年5月8日 by ぷーやん

現在の米国株、特にS&P500で見られる異常な上げ相場。
その裏側で起きているのは、ファンダメンタルズを超えた需給の暴走、いわゆる「ガンマスクイーズ」だ。
格付けに関連した強気な見通しも手伝い、日米ともに記録的な上昇を見せているが、この熱狂の正体を理解しておく必要がある。
証券会社が「買わされている」という事実
株価が上がる仕組みは、通常「欲しい人が多いから」という単純な理由に集約される。
しかし、今の相場は少し性質が違う。
投資家が「コールオプション(株を買う権利)」を大量に買うことで、証券会社(マーケットメイカー)が「ヘッジのために現物株を買わざるを得ない」状況に追い込まれているのだ。
投資家がコールを買うとき、その裏側で売り手となっているのは証券会社だ。
もし株価が上がれば、証券会社は投資家に対して株を安く渡さなければならず、大赤字になる。
このリスクを防ぐため、彼らは株価が上がるにつれて、あらかじめ市場で現物株を買ってポジションを調整する。これを「デルタヘッジ」と呼ぶ。
ガンマがもたらす「加速」の恐怖
ここで重要になるのが「ガンマ」という概念だ。
株価が上昇し、オプションの権利行使価格に近づけば近づくほど、証券会社が必要とするヘッジ(買い)の量は幾何級数的に膨れ上がる。
- 投資家がさらにコールオプションを買う。
- 株価が少し上がる。
- 証券会社がヘッジのために現物株を買い増す。
- その買いでさらに株価が上がる。
- 上がったことで、証券会社はさらなるヘッジ買いを迫られる。
これが「ガンマスクイーズ」だ。

誰かが確信を持って株を買っているのではなく、システムの維持とリスク管理のために「機械的な買い」が連鎖している状態と言える。
現在のS&P500におけるコールオプションの建玉は史上最高レベルに達しており、この強制的な買い圧力が相場を押し上げ続けている。
日本市場への波及と今後の視点
米国でのこの動きは、当然のように日本市場へも波及する。
米国株がガンマスクイーズで踏み上げられれば、世界的なリスクオン姿勢が強まり、出遅れていた日本株にも資金が流れ込む。
米国の「格上げ」といったニュースは、この強制的な買い上げに正当性を与える絶好の材料(燃料)として機能しているに過ぎない。
しかし、この上昇には一つ大きな落とし穴がある。
ガンマスクイーズによる上昇は、いわば「雑巾を絞り切る」ような動きだ。ヘッジの買いが出尽くしたり、オプションの満期(メジャーSQなど)を迎えたりして、買い支えの必要がなくなった瞬間、相場は一転して梯子を外される。
初心者が心得るべきこと
今の相場は「強いから上がっている」のではなく、「上がっているから買わなければならない」という強制的な需給で動いている。
これは一種のバブル的な挙動であり、テクニカルや業績分析が通用しにくい領域だ。
爆上げに浮かれるのではなく、この「強制的な買い」がいつ止まるのか。
オプションの需給バランスが崩れた瞬間の反動は、上昇時と同じかそれ以上のスピードでやってくる。このメカニズムを知っているか否かが、生き残るための境界線となる。
PS
強烈なガンマスクイーズの影響で、これからマーケットはさらに乱高下が激しくなるだろう。
トレーダーの身を守るのはロスカットを徹底した資金管理に尽きるが、今の乱高下相場ではロスカットの嵐に見舞われる覚悟が必要だ。
ロスカットをしないトレードモデルは、この難しい相場に適応する一つの答えになるはずだ
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この記事の監修者:ぷーやん(35年の実績)
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