逆転のロジック ~「個人の意思」を殺した者だけが勝つ~(第2章-3)

Last Updated on 2026年2月20日 by ぷーやん

25年間負けなし?日経225先物「サイコロ投資法」という地味な勝利の方程式

相場に「予測」は不要である

相場の世界で勝つために必要なのは、明日の株価を当てる「予知能力」ではない。

なぜなら、ノーベル賞学者が集結したヘッジファンド(LTCM)ですら予測不能な動きで破綻するほど、相場の未来を知る人間はこの世に一人も存在しないからだ。

毎朝の新聞チェックやアナリストの解説に耳を傾ける努力は、利益を上げるという目的において「無価値」と言わざるを得ない。

投資で成功する唯一の道は、「期待値がプラスの局面で、機械的にサイコロを振り続ける仕組み」を構築することにある。

四半世紀機能し続ける「統計的バイアス」の正体

私が実践する「サイコロ投資法」は、日経225先物において特定の時間にエントリーし、特定の時間に決済するだけの極めてシンプルな手法だ。

驚くべきことに、このロジックは1994年から現在まで、一度もルールを変えることなく機能し続けている。

  • ITバブル崩壊(2000年)
  • リーマンショック(2008年)
  • 東日本大震災(2011年)

これら歴史的な大暴落や乱高下を、この手法は淡々と乗り越えてきた。

25年以上勝ち続けているという事実は、マーケットには時代を超えても変わらない「統計的な偏り(バイアス)」が物理的な重力のように存在することを証明している。

投資家は「釣れてもよし、釣れんでもよし」の精神を持て

システムトレードにおいて最大の壁となるのは、手法の開発ではなく「メンタルの維持」だ。

ここで言うメンタルとは、気合を入れることではなく**「いかに期待を捨てるか」**を指す。

一流の釣り人は、今日魚が釣れるかどうかという結果に一喜一憂しない。

彼らができるのは、「魚がいる確率が高い場所」を選び、「正しい餌」を使い、適切なタイミングで糸を垂らすことだけだ。

その後の結果は自分ではコントロールできない領域であり、釣れなくてもプロセスが正しければ満足して翌日も竿を出す。

トレードも全く同じだ。

エントリー後の価格変動は神の領域であり、人間がコントロールできるのは「エッジ(優位性)がある場所で注文を出す」という自分の行動のみ。

「今日の勝ち負けは25年というスパンで見れば誤差である」と割り切り、歯を磨くように淡々とルールを執行する姿勢こそが、投資家を自由へ導く。

「退屈」こそが成功のシグナルである

「トレードが楽しい」と感じているうちは、まだ初心者(カモ)の段階にある。

真のプロによるトレードは、驚くほど地味で、味気なく、そして退屈だ。

かつての私は、職場のデスクでチャートに釘付けになり、一喜一憂するスリルのなかにいた。

しかし、そんな「感情のジェットコースター」に乗っていた時期は、資産は減る一方だった。

逆に、トレードを単なる「作業」と捉え、ポジションを持っていることさえ忘れるほど退屈に感じ始めたとき、資産曲線は面白いように右肩上がりを描き始めた。

「退屈」は、あなたの手法から感情という不純物が排除され、正しく機能している証拠なのだ。

大数の法則を盾に連敗を乗り越える

多くの人がシステムトレードを継続できない理由は、1回の負けに過剰に反応してしまうからだ。

勝率80%の優れたシステムでも、統計学上10連敗する確率はゼロではない。

3連敗しただけで手法を捨てるようでは、一生「聖杯」を探し続ける迷子で終わる。

カジノのオーナーが一人の客の大当たりに動じないのは、数万回の試行を繰り返せば、数学的に必ずハウス側が勝つことを知っているからだ。

トレードを「1回の勝負」ではなく「1000回の試行の一部」として捉えることができれば、連敗の最中でも夜はぐっすり眠れるようになる。

この精神的余裕が、さらに精度の高いトレードを生む好循環を作り出す。

意思を捨て、仕組みのパーツに徹せよ

投資において、個人の「賢明な判断」ほど邪魔なものはない。

町工場の技術者が製品データに私情を挟まないように、投資家も自らの意思を捨て、検証された「型」に自分をはめ込むべきだ。

「昨日と同じ今日を生き、明日と同じ今日を生きる」。

この規律に満ちた日々を積み重ねた者だけが、ある日突然、想像もつかない高みに到達する。

小さなことの積み重ねこそが、奇跡を起こす唯一の道だ。

第4回では、この「サイコロ投資法」をさらに強化する「ポートフォリオ運用」の魔法を公開する。複数の手法を組み合わせ、ドローダウンを劇的に抑える戦略について詳しく解説しよう。

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