50年ペアローンという「現代版・心中」1億円のコンクリートに一生を捧げる人々

Last Updated on 2025年12月25日 by ぷーやん

ニュースでも連日報じられているが、東京都心の新築マンション平均価格は1億円を軽く突破している。

もはや「高嶺の花」どころか、一般庶民にとっては「異次元の物体」だ。

しかし、不思議なことに街を見渡せば、職住近接を夢見る若きカップルたちが、まるでスタバの新作を買うかのような軽やかさで、1億円を超える負債にサインをしている。

その魔法の杖の名は、「ペアローン」

そして近年登場した、「50年返済」という名の、もはや人生そのものを担保にした究極のギャンブルだ。

「愛」を担保にする、最もハイリスクな投資

かつての住宅ローンは、働き盛りの35年で完結するのが常識だった。

しかし、今の不動産バブルはもはや個人の稼ぎでは手が届かない。そこで銀行が差し出した甘い蜜が「二人で借りれば怖くない」というペアローンだ。

だが、冷静に考えてみてほしい。

50年もの間、夫婦の仲が微塵も揺らがないと確信できるエビデンスがどこにあるのだろうか。

統計を見れば、3組に1組が離婚する時代だ。

50年先といえば、今の20代・30代は悠に後期高齢者。

夫婦円満という不確定要素を前提に、老後の杖となるべき資産を「負債」で埋め尽くす。これほど分の悪い博打が他にあるだろうか。

離婚の危機が訪れた瞬間、かつての愛の巣は「逃げ場のない監獄」へと変貌する。

売ろうにもローン残高が資産価値を上回る「オーバーローン」状態であれば、別れたくても別れられない、地獄の同居生活が幕を開けるのだ。

銀行という「親切な死神」

貸す側の銀行も、もはや正気とは思えない。

50年ローンという「死ぬまで、いや死んでも払わせる」かのような商品を平然とラインナップに並べている。

少子高齢化で空き家が溢れ、日本の人口が右肩下がりなのは周知の事実だ。

30年後、50年後、その1億円のコンクリートの塊に、一体どれだけの価値が残っているのか。

銀行は確信しているはずだ。「不動産の価値」ではなく、従順な日本人の「返済し続ける生真面目さ」を担保にすれば、バブルが弾けようが損はしないと。

職住近接という名の「現代の参勤交代」

職場に近いところに住みたい。

そのささやかな願いの代償が、半世紀にわたる労働の義務化だ。通勤時間を数十分削るために、人生の自由時間を50年分売り払う。果たしてそのタイパは本当に正しいのだろうか。

これから人口が減り、地方だけでなく都心でも空き家問題が深刻化していくというのに、わざわざ歴史的な頂点で、一生をかけて高値掴みをする。

その姿は、沈みゆく船の特等席を、全財産を投げ打って奪い合っているようにしか見えない。

それはマイホームか、それとも「墓」か

50年ローンを組んで新築マンションを買う。それは「家を買う」という行為ではなく、もはや「終身刑の権利を買う」ようなものだ。

もし50年後、全てを払い終えた時に手元に残るのは、ガタの来た体と、築50年の古びたコンクリートの箱。

その時になってようやく気づくのかもしれない。自分が守ってきたのは「家族の幸せ」だったのか、それとも「銀行の利益」だったのかを。


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