トヨタ自動車と豊田自動織機のTOBに注目した話

Last Updated on 2025年6月3日 by ぷーやん

ここ最近のマーケットを賑わせている話題のひとつに、トヨタ自動車による豊田自動織機の株式取得、いわゆるTOB(株式公開買付)がある。

系列会社である豊田自動織機を非公開化する方向で進めているという報道をきっかけに、このニュースは瞬く間に市場の関心を集め、株式市場でもさまざまな動きが見られるようになっている。

特に注目されているのが、TOB価格の公表をきっかけに発生した豊田自動織機株の買い勢力だ。

シンプルに見れば、TOB価格が市場価格に影響を与えることは容易に想像がつくが、実際にはそれ以上の波及効果がある。

断続的な買いが大量に入っており、その背景には投機筋による仕掛けがあると見られる。

こうしたイベント時には、常にと言っていいほどアクティブな投機筋が動いており、アルゴリズムトレードやイベントドリブン型の裁定取引(アービトラージ)が盛んに行われることはよく知られている。

今回のTOBにおいても、多くの投資家がこの値動きを利用しようと群がっている印象だ。

そんな中で注目したのは、トヨタ自動車と豊田自動織機という2つの銘柄の価格差を利用したアービトラージ戦略。

一般的にアービトラージというと、2つの相関性の高い銘柄の「さや」に注目し、その価格差によって利益を狙う戦略が王道である。しかし今回試してみたのはもっと単純な手法だ。

具体的には、「トヨタ自動車を買い、豊田自動織機を売る」という両建てのポジションを取った場合、曜日ごとにどのような傾向があるのかを検証した。

あえて複雑なテクニカル分析や相関係数の計算などは行わず、極めてシンプルに曜日ごとのトレード結果を集計し、そのパターンを探るというアプローチを取った。

そして得られた結果は非常に興味深いものであった。

もっともパフォーマンスが良かったのは木曜日

具体的には、木曜日の寄付きで「トヨタ自動車を買い、豊田自動織機を売り」、金曜日の寄付きでそのポジションを解消するという「1泊2日」のトレードで、最も高いリターンが得られる傾向が見られた。(黄色のグラフ)

このような曜日によるパフォーマンスの偏りには明確な理論的根拠があるわけではない。

市場心理、需給バランス、あるいは参加者の行動パターンによって形成された“癖”のようなものであり、いわゆる「アノマリー」の一種と捉えるのが妥当だろう。

このアノマリーがなぜ発生するのか?、なぜ木曜日に「トヨタ買い×豊田自動織機売り」が有利なのか?、現時点でははっきりとした説明はできない。

ただし、こうしたパターンが実際に存在している以上、それを無視する手はない。特にTOBという明確なイベントが控えている中では、短期的なトレンドや資金フローが通常とは異なる動きを見せる可能性が高い。

今回のTOBの実施時期は、2025年12月とされており、それまではこのアービトラージ戦略がある程度機能する余地が残されていると考えられる。

逆にいえば、この戦略が活かせるタイミングは今だけということだ。TOBが完了し、豊田自動織機が非公開化された後には、このような価格差を活用したアービトラージは事実上不可能になる。

市場におけるアノマリーは、理屈では説明できないが確かに存在する。

だからこそ、それを見つけ出し、活かすことがトレーダーの腕の見せ所でもある。今回のケースも、まさにその一例と言えるだろう。

TOBという大きなイベントを控えた今、まさにこのタイミングこそが仕掛けの好機かもしれない。

今日もお越し下さりありがとうございます
応援よろしくお願いします!

先物・オプションランキング

メルマガ詳細
(Visited 71 times, 1 visits today)