日経ダブルインバース ETFの研究

Last Updated on 2025年8月17日 by ぷーやん

前回に引き続き、日経ダブルインバースという金融商品の研究結果について共有したい。

この「日経ダブルインバース」という商品は、通常の株式投資やインデックス投資とは性質が大きく異なる特殊な仕組みを持っており、今後マーケット全体が下落する、あるいは株価の水準が押し下げられるような展開に「飲み込まれていく」と考えられる局面で購入されることを前提に設計されている。

つまり、一般的な投資家が「これから相場が下がるのではないか」と予想したときに選択肢となる商品であり、マーケットが実際に下落していけば、その値動きに連動してインバース型 ETF の価格が上昇する、そうした特徴を備えている。

もう少し噛み砕いて説明すれば、この仕組みは「株を空売りすること」と同じような効果を得られるように設計されている。

というのは、通常の株式売買とは逆の発想で、株価が下がれば利益になる取引方法だが、これを実際に行おうとすると信用取引口座を開設する必要があり、一定の審査やルールに従わなければならない。

それに対して、日経ダブルインバースは ETF という上場投資信託の形を取っているため、投資家は特別な準備や制度を利用することなく、まるで普通の株を現物で購入するかのように簡便に取引できる。

従来の株式投資というのは、基本的には「株を買えば、その株価が上昇することによって利益が得られる」という一方向の構造しか持っていなかった。

言い換えれば、「株を買う=株価の上昇を期待する行為」というのが当たり前であり、それ以外の発想は一般投資家には難しいものだった。

ところが、インバース型商品が登場したことによって、同じ「株を買う」という行為であっても、マーケットが値下がりしたときに利益を得られる、という新しい選択肢が開かれた。これは金融商品の進化の中でも画期的な発明のひとつだ。

しかしながら、このインバース型 ETF、特に「日経ダブルインバース」のようにレバレッジを効かせて原指数の動きを日次で 2 倍に反映させるタイプの商品は、非常に癖の強い性質を持っていることも事実だ。

一般的なインバース型でも特徴的な値動きをするが、ダブルインバース型はその特性がさらに顕著で、マーケットの1日の値幅変動を2倍に拡大して表現するため、短期的な値動きには大きなリターンをもたらす可能性がある一方で、日々の相場が上下に揺れ動く過程で、複利効果や連続した変動によって基準価額が想定以上に減価していく、すなわち「価値を毀損してしまう」リスクが非常に高くなる。

下のグラフは日経ダブルインバースの株価チャートだが、途中で2024年8月の令和版ブラックマンデーと、2025年4月の暴落時に大きく株価がスパイクしている

日経ダブルインバースの株価の推移(2024年~2025年8月現在)

背景と要因

1. 「複利効果(トラッキング乖離)」による累積価値の減損

ダブルインバース型ETFは、日々の変動に対して2倍で連動するよう設計されている。

しかし、株価指数が上下を繰り返すようなボックス相場では、指数自体が元に戻っても ETF の価値は戻らず、累積では値を落としてしまう挙動がある。

この現象はいわゆる「複利効果」によるもので、長期保有に向かない仕組みだと金融庁や証券各社も注意を促している

2. 相場が比較的安定もしくは上昇トレンドであること

インバースETFは、日経平均株価が下落する時に利益が出るが、その逆に相場が上昇傾向にあると、損失を受け続けることになる。

2024年は、日本株の上昇や安定した動きにより、ダブルインバースETFには相対的に不利な環境だったのではないかと推測される

3. 投資家の視点とポジションの構築意図の変化

インバースETFは、相場が先安と予測される局面でヘッジもしくは短期的な利益を狙って活用されることが多い。市場の先安観が弱まると、これらのETFへの需要も減退し、価格が下落しやすくなる

4. 制度対応としての受益権併合

2024年12月18日に「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース ETF(1357)」では、100:1の受益権の併合が実施された。これは基準価額が長年にわたって下落傾向にあり、商品性の維持が難しくなっていたことが背景にある

全般として、ダブルインバース ETF が「下がり続けている」のは、市場構造と商品設計から見た必然とも言える。長期保有には特に注意が必要な商品である

日経ダブルインバースETFのデイトレード戦略

次に示したいのは、継続的に右肩下がりの局面にある日経平均株価の動きを背景に、日経平均ダブルインバースを利用しながら、これから予想される大きな下落や暴落に備えて、どのように短期的、あるいはデイトレード的な取引を行えば利益につなげられるのか、という具体的な戦略である。

ここで扱うデータは2024年以降のものであるが、日経平均が右肩下がりの局面にあるとき、通常であれば日経平均ダブルインバースは下落基調となる。

このまま何もせず保有を続ければ、資産は大きく目減りしてしまうのは避けられない。しかし、そこで重要な視点となるのが米国市場、とりわけS&P500の動向である。

前回のブログ記事でも触れたように、S&P500の動きは日本市場に先行してシグナルを与えることが多く、これを先行指標としてうまく組み込むことで、インバース取引における精度を大きく高めることができる。

今回の検討では、従来取り上げてきた指標に加えて新たな特徴量を導入し、その組み合わせによって戦略を強化した。

その結果として得られたのが、以下のグラフに示されるブルー色のラインである。

このラインは日経平均ダブルインバースを対象としたデイトレード戦略の損益を表しているが、見てわかる通り右肩上がりの美しい成長曲線を描いている。

つまり、ある特徴量の効果が極めて大きく、戦略に適切に取り込むことで、損益はブルーラインのように積み重なっていく。

一方で、この特徴量に対して反対のポジションを取れば、取引成績は伸び悩み、パッとしない結果に終わることも明確に示されている。

ここからさらに一歩踏み込み、この戦略を複利効果を活用した運用方式に発展させると、効果はより顕著になる。

下に示すグラフは、単純に日経平均ダブルインバースを買って保有(いわゆるバイ・アンド・ホールド)した場合と、戦略的にデイトレードを行い、その損益を複利で積み上げた場合の比較を示している
2024/8~2025/8現在

結果は一目瞭然である。

ダブルインバースをそのまま1年間保有した場合、資産は▲40〜▲45%という大幅なマイナスに沈んでしまう

しかし、戦略に基づいてデイトレードを行った場合には、オレンジのグラフが示すように、パフォーマンスは+110%にも達している。

これは圧倒的な差であり、単なる偶然ではなく、日経平均ダブルインバースという商品の値動きの特性を理解し、さらに複利効果の仕組みを正しく利用したことによって初めて実現できる成果である。

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題名:日経ダブルインバース売買シグナル

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