Last Updated on 2026年2月23日 by ぷーやん
カリスマ投資家・テスタ氏のスキャルピング実況がスキャルパーの間で話題になっている。
単なるチャートパターンの暗記ではなく、その裏にある投資家心理(需給)をいかに読み解くか。
テスタ氏の手法から得た「需給判断の要諦」と、それを「システムトレード(アルゴリズム)」へ転用する革新的な視点をここに整理する。
1. スキャルピングの本質:チャートではなく「需給」の歪み
テスタ氏のトレードの真髄は、統計的なパターンマッチングではない。「市場参加者の心理変化が生み出す需給の歪み」を瞬時に捉える点にある。具体的に意識すべきポイントは以下の節目だ。
- イベント要因: ザラ場(取引時間中)の決算発表や上方修正。
- テクニカル要因: 前日終値、当日の高値・安値。
これらの節目では注文が集中し、大きな反発や突破の起点となる。特に重要なのが「前日終値」を巡る攻防だ。
2. 前日終値を巡る「絶望」と「歓喜」のドラマ
スキャルピングにおいて「前日終値」は単なる価格データではない。それは市場参加者の「損益分岐点」であり、心理的な防衛ラインである。
恐怖が加速する「オーバーシュート」
株価が前日安値を割り込み、さらに前日終値を下回る局面では、ロング(買い)保持者の心理は「不安」から「パニック」へと変貌する。
含み損に耐えきれなくなった買い勢力が一斉に投げ出すため、下げは加速し、概ね10%程度のオーバーシュートが発生する。ここが自律反発を狙う絶好のエントリーポイントとなる。
「やれやれ売り」と「踏み上げ」の分岐点
決算内容が良好であるにもかかわらず、需給の崩れで急落した場合、相場は必ず材料(ヘッドライン)の方向へと回帰しようとする。
- 第一の関門: 反発して前日終値付近まで戻ると、含み損から解放された投資家の「やれやれ売り(同値撤退)」が出る。ここが第一の利確ポイントだ。
- ショート勢の崩壊: もしこのラインを力強く超えてくれば、安値で空売りを仕掛けていた勢力が窮地に陥る。彼らの損切り(買い戻し)を巻き込むことで、相場は「踏み上げ」による急騰へと発展する。
3. 「時間の概念」による投資家心理の可視化
今回の分析で最も衝撃的な気づきは、「もみ合いの時間」を投資家の迷いとして捉えるという視点だ。
好材料後の「1分間の停滞」が持つ意味
「好決算+上方修正」という極めて強い材料が出たにもかかわらず、「1分間程度もみ合い、上昇幅が限定的」だった場合、プロはこう判断する。
- 心理の読み: 「これだけの材料で上がらない=買い手が枯渇している」、あるいは「それ以上に強力な売りが潜んでいる」。
- 判断の帰結: 上昇バイアスが強い局面であっても、この「1分間の停滞(迷い)」を確認した瞬間に、目線を「売り」へと切り替える。
4. アルゴリズム(システムトレード)への応用可能性
これまでアルゴリズム構築では「価格」や「出来高」が主役であったが、ここに「時間軸による心理判定」を組み込むことで、モデルの精度は飛躍的に高まる。
| 項目 | アルゴリズムへの落とし込みの考え方 |
| 時間的閾値 | 材料投下後、〇秒以内に直近高値を更新できなければ「上昇枯渇」と判定。 |
| 心理的境界線 | 前日終値をブレイクした際の「加速」と、戻り局面での「滞留」を判定。 |
| ボラティリティ収束 | 強い材料下での「1分間の停滞」を、エネルギー蓄積ではなく「買い限界」と定義。 |
| 相対的強度 | 材料の期待値に対し、実際の騰落率が低い場合に「下方向へのエッジ」を算出。 |
結論:機械的なトレードに「投資家心理」を組み込む
一流のスキャルパーは、モニターの向こう側にいる投資家たちが「今、何を考えて迷っているのか」を、価格の動きだけでなく「時間の経過」から読み取っている。
前日終値付近での「やれやれ売り」を吸収し、ショート勢を焼き尽くす動き。あるいは、絶好の材料が出た後の「1分間の沈黙」。
これらの心理的ドラマをロジックに加えることは、無機質なシステムトレードに血の通った「需給判断」を組み込む、極めて画期的なアプローチとなるだろう。
■ 記事のポイント(まとめ)
- スキャルピングの正体:参加者の「欲」と「恐怖」が生み出す需給の歪みを狙う作業。
- 前日終値の魔力:投資家の「救済」と「絶望」を分かつ境界線。
- 1分間の本質:好材料後の停滞は「買い枯渇」のサイン。
- 次世代の視点:価格と出来高に「時間の閾値」を加え、心理を数値化せよ。

