日本の長期金利急騰と「高市トレード」─恐怖の市場で本当に見るべきもの

Last Updated on 2026年1月21日 by ぷーやん

日本の長期金利が急騰している。

10年国債利回りは一時2.3%台に達し、長年続いた超低金利体制からの明確な転換を意識させる水準となった。

国債市場では売りが売りを呼ぶ展開となり、「日本国債は安全資産」という前提そのものが揺さぶられている。

背景にあるのは、いわゆる「高市トレード」への警戒感だろう。

積極財政、減税、給付金拡大といった政策期待が一気に織り込まれる一方で、その財源に対する説明は極めて曖昧だ。

日本の政府債務残高はGDP比で260%前後と、主要国の中でも突出して高い水準にある。この状況で、消費税減税や食品の消費税ゼロといった政策が現実味を帯びれば、国債市場が神経質になるのは当然だ。

ここで多くの投資家が思い出すのが、2022年の「トラス・ショック」である。

財源の裏付けを欠いた大規模減税を打ち出した結果、英国債が暴落し、長期金利が急騰、ポンドも急落した。

マーケットの反応は苛烈で、結果としてトラス政権は短命に終わった。財政規律を軽視した政策は、たとえ景気刺激を目的としていても、市場からは即座にペナルティを受けるという教訓だ。

今回の日本市場でも、同様の連想が働いている可能性は否定できない。

その緊張感を象徴するのが、恐怖指数として知られるVIX指数だ。

昨日(1/20)20ポイントを超える場面が観測された。一般にVIXが20を超える水準は、市場参加者の不安心理がかなり高まっている状態とされる。

興味深いのは、ここから先の話である。

過去10年程度のデータを振り返ると、VIXが20を超えた局面は絶好買い場である。

「翌営業日の寄り付き」で株式市場にエントリーし、その後VIXが15程度まで低下した段階で手仕舞う、という極めて単純な戦略を取った場合、プラスリターンとなる確率は8割を超える。

2014~2026/1現在
日経先物

 L損益
損益3,319,000
勝率82.6%
SR0.61
期待値144,304
トレード回数23
MDD-700,000
PMレシオ0.40
最大損失-179,000
PR1.8
エッジ47.4%

恐怖がピークに近い局面では、すでに悪材料の多くが価格に織り込まれているケースが多く、過度な悲観はむしろ期待値の高いエントリーポイントになりやすい、という相場の性質を示している。

もちろん、この数字は「常に儲かる魔法の手法」を意味するものではない。

リーマン・ショックやコロナショック初期のように、VIXが20を超えた後もさらに上昇し続ける局面は確かに存在する。

ただし、平常時からやや大きめの調整局面においては、「恐怖が可視化された瞬間」に機械的に行動する方が、感情に流されて売買するよりも結果が安定しやすいのも事実だ。

実際、昨日1月20日時点でVIXが20.08ポイントを記録した。

この水準は、少なくとも短期的には市場参加者の不安がかなり高まった状態を示している。

もし過去の統計的傾向に沿うなら、その翌営業日(1/21)の寄り付きでエントリーする行為は、「怖いが、期待値としては合理的」な選択肢になり得る。

日本の財政問題や金利上昇リスクは、短期で解決する話ではない。

むしろ中長期では、トラス・ショック型の展開が起きる可能性すらゼロではない。

しかし、相場は常に直線的には動かない。悲観が一気に噴き出した局面では、短期的なリバウンドが生じやすいのもまた現実だ。

投資で重要なのは、「正しい意見」を持つことではなく、「期待値の高い行動」を取ることだ。

恐怖指数が20を超え、市場全体が神経質になっている局面こそ、冷静にデータを見て行動できる投資家にとってのチャンスになりやすい。そのことを、過去のマーケットは何度も示してきた。

今後、今回の局面がどのような結果に終わるのかは、ぜひデータとして確認していきたいところだ。

恐怖の中で買えるかどうか。その差が、長期的なパフォーマンスの差になっていくだろう。


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