Last Updated on 2025年5月30日 by ぷーやん

相変わらず金の価格が大きく上昇している。
この動き自体は珍しくない。地政学的リスクが高まる局面では、金は常に「最後の避難所」として買われてきた。
だが、今年の相場で興味深いのは、金の価格とロシア・ルーブルがほぼ同じ方向で動いていること。
↓

通常、こうした安全資産の上昇局面では新興国通貨は売られやすい傾向がある。ルーブルのような地政学的リスクを内包した通貨が、金と歩調を合わせて上昇している構図は、単なる偶然や投機では説明しきれない。
背景にあるのは、ロシア政府の通貨政策と資源戦略の変化だろう。
ウクライナ侵攻以降、ロシアは国際決済網からの締め出しに対抗する形で、通貨の自立化を進めてきた。その中心にあるのが、金と資源を通貨の裏付けにしようとする姿勢。過去数年にわたりロシア中央銀行は金準備を着実に積み増してきたが、2025年に入りその存在感が一段と高まっている。
エネルギー輸出も一つの鍵だ。
ロシアは天然ガスや原油の取引において、ドル建てではなくルーブル建て決済を促進している。これに加えて、金という国際的な価値尺度を利用することで、制裁下でも通貨の信認を維持しようとする意図が見える。
要するに、ルーブルは今や「金と資源に裏打ちされた通貨」へと変貌を遂げようとしている。
また、エネルギー価格の再上昇も追い風になっている。
ロシアは世界有数の資源大国であり、資源価格とルーブルの連動性はかねてより高かった。だが現在は、単なる資源相場の影響だけでなく、意図的に“金とのリンク”を演出するような金融・政治的なメッセージが込められている印象すらある。
この構図は、通貨そのものの価値が「中央銀行の金融政策」だけで決まる時代の終わりを示唆しているのかもしれない。
むしろ重要なのは、「その通貨が何によって支えられているのか」「国家としてどれだけの実物資産を背景に持っているのか」という、本源的な問いに回帰しつつある。
金が上がることには慣れているが、それと共に上がる通貨の存在には注目する必要がある。
ルーブルの動きは、通貨価値の新しいロジックを映す鏡かもしれない。今後、他の資源国が類似の動きを見せる可能性も含めて、2025年の通貨市場は単なる金利やインフレの問題では語れなくなっている。
PS
セクターローテーションを使った先物ロングショート戦略、6/1勉強会開催します
応援よろしくお願いします!
先物・オプションランキング メルマガ詳細
