
Appleが中国に依存してきた歴史を振り返ると、それはまるで愛憎劇のように見える。
Patrick McGeeの『Apple in China』は、Appleがいかに中国市場と製造網にのめり込み、そしてその結果どんな代償を払うことになったのかを描いた一冊。

2016年から2021年にかけて、Appleは中国におよそ2750億ドルを投じた。
これは戦後ヨーロッパ再建のためのマーシャル・プランを超える規模で、中国の工業力を飛躍的に押し上げる結果となった。
iPhoneの大量生産を可能にした精密な製造工程は、Appleが自ら現地にノウハウを持ち込み、エンジニアを送り込んで一から仕組みを築き上げたもの。その知識は当然、中国企業の力にもなり、HuaweiやXiaomiといった競合が急成長する土壌を整えてしまった。
McGeeは「今の中国はAppleなしには存在しなかったかもしれない」とまで語る。
Appleが築いたのは単なる工場ではなく、国家の産業基盤そのものだったという主張だ。代わりにAppleは市場と生産能力を得たが、その関係は常に政治的譲歩を伴った。
VPNアプリの削除や中国国内へのデータ保存など、Appleは中国政府の要求を受け入れざるを得なかった。依存が深まれば深まるほど、交渉力は薄れていった。
米中対立が激しくなるなか、Appleは生産拠点の一部をインドやベトナムに移す試みを始めている。しかし、それは痛みを伴うデトックスのようなもので、コストも調整の難しさも計り知れない。Appleが本当に中国依存から抜け出せるのか、それはまだ見えない。
本書は200人以上の元幹部や技術者へのインタビューをもとに構成され、サプライチェーンの舞台裏をスパイ小説のように描き出す。
Appleの成功とリスク、国家と企業の駆け引きが絡み合う物語は、ただのビジネス書を超えたスリリングさがある。テクノロジー企業がいかにして国家と結びつき、時に翻弄されるのかを知るうえで欠かせない一冊だと思わされる。
本書はまだ日本語訳はないが、日本語訳が出版されると間違いなくベストセラーになるだろう
PS
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