Last Updated on 2025年9月23日 by ぷーやん

「ゴールドは炭鉱のカナリアである」
かつてFRBの議長を務めたアラン・グリーンスパンがよく口にしていた言葉だ。
炭鉱労働者たちは地下深く潜る際、必ず小鳥のカナリアを連れて行った。カナリアは人間より敏感に有毒ガスを察知し、異変があれば鳴き声や挙動で知らせる。命がけの労働において「未来の危険を告げる存在」だったわけだ。
ゴールドを「カナリア」にたとえたのも同じ理由で、金価格の変動は経済や市場の深層に潜むリスクをいち早く映し出すからにほかならない。
そのゴールドがいま、連日のように史上最高値を更新している。
ニュースで断片的に報じられているが、これを単純に「行き過ぎた相場」「割高すぎる」と株式市場の常識で解釈すると、思わぬ落とし穴にはまるかもしれない。
なぜなら、金は株や不動産のように単純な投資商品ではなく、世界中の中央銀行が準備資産として大量に抱え込んでいる、究極の裏付け資産だからだ。
ここで注目すべきなのが「ニューヨークダウ金倍率」と呼ばれる指数。
ニューヨークダウ平均株価を金価格で割った数値で、市場全体の力強さを金という尺度で測るユニークな物差しとなっている。
直近10年間の動きを見ると、2018年まではこの倍率が高く、株式市場は黄金期のような勢いを誇った。
2018年の時点で倍率は22倍に達していたが、現在は12倍まで縮小。世界的に株価が最高値を更新していると喧伝されても、金という物差しで見れば株式の価値はむしろ減少している。

さらに重要なのは、現在この倍率がほぼ12倍の水準で停滞していること。
過去にも同じ水準に落ち込んだ局面があり、その後の市場は大きな転換点を迎えてきた。もしここから倍率が下方向に抜けるようであれば、株式市場の熱狂とは裏腹に、金価格で測った株の実力は着実に失われつつあると解釈できる。
問題は次に起きること。
倍率が再び跳ね上がるのか、それともさらに縮んでいくのか。跳ね上がれば株が盛り返す兆候となり、縮小が続けば「金こそが真の安全資産だ」との認識が強まる。
その行方次第で、金価格がさらに高みへと駆け上がるのかどうか、我々はまさに市場の分岐点を目撃することになる。
ゴールドは今日も静かに、市場の未来を告げるカナリアとして鳴き続けている。
PS
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