金を凌ぐ銀の上昇スピード~これからは金よりも銀か?

Last Updated on 2025年9月28日 by ぷーやん

この数カ月、貴金属市場で最も熱い視線を集めているのは、従来の「安全資産の王様」である金ではない。

むしろ、長らく出遅れ感があったが、その価格上昇スピードで金を凌駕し、投資家の間で大きな話題となっている

これは単なる一時的なトレンドではない。

銀の価格高騰の背景には、金とは異なる、より強固なファンダメンタルズの変化が存在する。そして、その変化は、グローバル経済の根深い問題と、ある特定の金属の需給逼迫という、複数の要因が絡み合って生まれている

なぜ銀の「出遅れ」が解消され、金より早く上昇しているのか

伝統的に、金が地政学リスクやインフレ懸念の高まりで「安全資産」として買われるのに対し、銀は工業用金属としての側面も併せ持つ。

銀の需要の半分以上は、太陽光パネル、電子機器、医療機器といった産業分野に向けられている

1. グリーンエネルギー革命の「燃料」としての需要爆発

現在の銀価格急騰の最大の原動力は、クリーンエネルギーへの移行、特に太陽光発電(ソーラーパネル)の爆発的な普及だ。ソーラーパネルには、高い導電性を持つ銀ペーストが不可欠であり、世界の脱炭素化が加速するほど、銀の需要は青天井で増加する

この「グリーン需要」の増加ペースが、銀の供給ペースを遥かに上回っている。

従来の需要に加え、新たな巨大な需要の柱が立ったことで、銀は「工業用金属」として再評価され、投機的な資金も流入しやすくなっている。

これが、金の上昇スピードを上回る要因だ。金が主に通貨の代替として動くのに対し、銀は産業の未来というテーマに乗って動いていると言える

2. 経済の「ドクター」が示す未来:銅の最高値と供給の危機

銀の上昇トレンドを裏付け、さらに貴金属市場全体に緊張感を与えているのが、銅(Copper) の動きだ。

銅は、その広範な産業用途から「ドクター・カッパー(Dr. Copper)」と呼ばれ、景気の先行指標として知られている。現在、この銅が最高値圏で推移しており、これは世界的な経済活動の力強い回復(特に製造業)を示唆している

しかし、銅価格の高騰の背景には、単なる需要増だけでなく、鉱石の供給不足という深刻な問題がある。

需要に対して新規の鉱山開発や生産が追いついておらず、特に質の高い銅鉱石の確保が難しくなっている。銀も銅も、基本的に同じ鉱山から副産物として採掘されることが多いため、銅の供給問題は、必然的に銀の供給逼迫にも繋がる

つまり、脱炭素化による「未来の需要」の増加と、鉱石生産の「現在の問題」 が重なり合い、銀の価格を強力に押し上げている

世界のレアメタル供給を握る「中国の優位性」の裏側

そして、これらの金属市場の需給バランスをさらに複雑にしているのが、レアメタル(希少金属)の供給構造だ

リチウムやコバルトといったレアメタルにおいて、中国が世界の供給の8割近くを支配していると言われる。これは、単に中国に資源が豊富だからではない。その最大の理由は、環境コストの「無視」 にある

レアメタルや貴金属の精錬プロセスは、大量のエネルギーと水を使用し、環境破壊リスクが高い。

本来、先進国でこれらの金属を精錬するには、厳格な環境規制と廃水処理が求められ、膨大なコストがかかる。しかし、中国企業の多くは、この環境コストを事実上無視しているのが実態だ。

精錬に使う水をそのまま河川に垂れ流しにするなど、環境対策コストを最小限に抑えることで、他国が真似できないダンピング的な低価格での供給を可能にしている

これは、日本の過去の公害問題や、ならず者の業者が産業廃棄物を不法投棄して見積もりを安くする行為に例えられるかもしれない。この「見えない環境コストの不払い」こそが、中国がレアメタル市場で圧倒的な独占状態を築いた最大の要因だ。

しかし、これは同時に、環境規制が強化された際や、世界がサプライチェーンの分散を試みた際に、これらの金属の供給コストが急騰する爆弾を抱えていることも意味する。

銀は「歴史的な割安感」を埋めている

金銀比価(金価格÷銀価格)を見ると、銀は歴史的に見て金に対して極端に割安な水準に長らくあった。

現在、銀が金より早いスピードで上昇しているのは、工業用需要という新たな強力な武器と、世界的な供給不足という背景を盾に、この歴史的な割安感を急速に是正しているプロセスと見ることができる

投資家として、銀は「金に追随するおまけ」ではなく、クリーンエネルギー革命サプライチェーンの構造変化という、2つの巨大なテーマを背負った先行銘柄として、改めてその価値を見直すべき時が来ている

PS
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