円安で喜ぶのは大企業と、株を持っている富裕層だけ。多くの日本人には地獄絵図でしかない

Last Updated on 2025年8月5日 by ぷーやん

為替レートの変動は一見すると複雑に見えるが、その根底には「金利政策」という極めて重要なファクターがある。

特にドル円相場を考える上では、「日米金利差」が相場を左右する決定的な要因となっている。

金利と為替は密接に結びついている

経済の基本理論では、ある国の金利が上昇すれば、その通貨は他国通貨に対して高くなりやすいとされる。

これは、金利の高い通貨を保有することで得られる利回りが魅力的であるため、投資資金がその国に集まりやすくなるからだ。逆に金利が下がると、通貨は売られやすくなる。

単純に言えば、金利が上がれば通貨高(金利が高い国の通貨が買われる)、金利が下がれば通貨安(その通貨が売られる)というのが基本構造である。

現在のドル円相場を動かす「日米金利差」

現在のドル円相場は、まさにこの日米間の金利差の拡大が円安を加速させている状況にある。アメリカはFRBによるインフレ抑制のため、政策金利を大幅に引き上げた。

金利水準は高止まりし、投資資金がドルに集まりやすい状況が続いている。一方、日本は長らくゼロ金利・マイナス金利政策を継続し、金利を抑え込んできた。

特に「YCC(イールドカーブ・コントロール)」と呼ばれる長期金利の上限を制御する政策により、意図的に金利上昇を抑制していた。

この結果として、日米の金利差は歴史的な水準にまで拡大し、それがドル高・円安を強く後押ししてきた。

2023年から明確に強まった「金利と為替の相関」

以下のグラフは、2017年からの日本の金利がもたらす短期的なドル円の推移を比較したものである。特筆すべきは、2023年以降、金利と為替の相関が急激に強くなっている点だ。

2023年以降の日本10年債金利

これは、日本が2023年前後に事実上YCC政策を放棄し、金利の市場反映を許容し始めたことと密接に関係している。

それ以前は、日銀が市場に強く介入し、金利の自由な変動を抑え込んでいたため、金利と為替の関係は表面化しにくかった。

しかし、政策の転換によって金利が市場に連動して動き始めると、為替レートもそれに呼応して敏感に反応するようになった。

日米金利差は縮小へ向かうか

今後のドル円相場を見通す上でカギとなるのは、金利差の行方である。

アメリカでは、政治的に金利引き下げ圧力が強まっている。トランプは、FRBに対してさらなる利下げを求める圧力をかけている。

一方、日本ではインフレ率に対して政策金利が極端に低く、実質金利が大きなマイナスとなっている。この状況は金融政策としては極めて不自然であり、いずれ金利を引き上げる方向にシフトしていくと見る向きが多い。

仮にアメリカが利下げ、日本が利上げとなれば、現在大きく開いた日米金利差は縮小し、為替は円高方向へ転換していく可能性がある

中長期予測は困難、短期は金利に敏感

ただし、為替というのは金利だけで動くわけではない。

地政学リスク、突発的な金融不安、選挙や中央銀行の発言など、あらゆるノイズが入り込む市場である。そのため、中長期的な為替の予測は極めて困難であり、多くのプロが苦戦している理由でもある。

しかし、短期的に見ると、金利動向は依然として非常に強いインパクトを持っている。特に政策金利の発表や中央銀行のスタンス変更などは、短期の為替変動に直結する。

ゆえに、為替を予測する上では、中長期よりも短期の金利変動に注目した方が精度は高いという見方ができる。

ドル円相場を左右する最大の要因は、依然として日米金利差にある。

2023年以降、その影響力はさらに強まっており、金利の動きが為替に直接反映されやすい局面に入っている。

中長期的な予測には限界があるものの、短期的には金利動向を追うことで、ある程度の方向感を持った戦略が立てられる。

為替市場は常に変化しているが、金利という指標に注目することは、これからのドル円相場を読み解く上で不可欠である。

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