Last Updated on 2026年2月17日 by ぷーやん

今回から第二章です。感情に支配された「ギャンブル・トレード」からの決別と、巷にあふれるテクニカル分析の無意味さを暴く【第2章・第1回:パチンコ・トレードからの卒業と『大人のおもちゃ』の破棄】です。
【第1回:パチンコ・トレードからの卒業と「大人のおもちゃ」の破棄】
トレードという名の「パチンコ」を楽しんでいないか?
相場の世界に足を踏み入れた多くの人が、無意識のうちに陥っている致命的な罠があります。それは、トレードを「知的なエンターテインメント」や「刺激的なゲーム」として楽しんでしまっていることです。
かつての私もそうでした。
会社から帰宅し、深夜までパソコンの前に陣取って、ポンド円のような激しく動くチャートを眺める。
そして、「ここで反転するはずだ!」「この形は鉄板の売りサインだ!」と、自らの経験(と思い込み)を頼りにマウスをカチカチとクリックする。
予想が当たれば、自分の才能が世界に証明されたような万能感に浸り、天にも昇る心地になります。逆に外れれば、次はもっと大きなロットで取り返してやると血眼になり、モニターを睨みつける。
この高揚感、この悔しさ、この「次は勝てるかもしれない」という根拠のない期待。
これらは全て、パチンコ屋でハンドルを握り、液晶の演出に一喜一憂している時の感覚と何ら変わりません。
口座のお金がなくなれば、また銀行から「クイック入金」で資金を補充して相場に突っ込む。これはもはや投資でも投機でもなく、単なる「ギャンブル依存症」の行動パターンそのものです。
しかし、相場で本当に、そして四半世紀もの長期にわたって儲け続けている「プロ」たちは、トレードに楽しみなど一切求めていません。むしろ、「相場で儲けることは、本当に退屈でつまらない行為だ」と断言します。
私が町工場の技術者だった頃、理想の炊飯器を作るために毎日三升もの米を炊き、製品の歩留まりを上げるために淡々とデータを記録し続けた作業に、スリルや感動などありませんでした。
それはただの「業務」であり「作業」でした。トレードも全く同じであるべきなのです。
エッジ(優位性)があることが証明されたルールに基づき、淡々と、機械的に、無感情に注文を執行する。この「退屈な集金作業」に徹することができた者だけが、相場をATMに変える資格を手にします。
テクニカル指標という「大人のおもちゃ」を捨て去る勇気
相場で勝てないトレーダーほど、チャートを色とりどりの線や指標で埋め尽くしたがります。
MACD、RSI、ボリンジャーバンド、一目均衡表、ストキャスティクス……。これらが複雑に重なり合い、完璧なシグナルを出す瞬間を「聖杯」と信じて、何百時間、何千時間もかけて検証に明け暮れます。
私もかつてはそうでした。
パラメーターを15個も組み込み、過去のデータに完璧に適合させた「最強のシステム」を作り上げ、その右肩上がりの損益曲線に自己陶酔していました。
しかし、いざ実弾(リアルマネー)を投入した瞬間、そのシステムはあざ笑うかのように機能しなくなり、みるみるうちに資産を溶かしていきました。
理由は明確です。それは「過剰最適化(カーブフィッティング)」という罠にハマっていたからです。
過去のデータに対して、後付けで都合よくルールを作りすぎたシステムは、未来の相場には全く対応できません。
相場は常に変化し、昨日の常識が今日の非常識になる世界です。有名な先物トレーダーのバーンスタインが言うように、「相場で起こっていることの40~60%は無意味なランダム」なのです。
あらゆるチャート形成に意味があると考え、複雑なフィルターを何重にもかけるのは、単なる「大人のおもちゃ」をいじくって安心感を得ているに過ぎません。
本当に機能するロジックは、いつだって「小学生でも理解できるほどシンプル」なものです。
私はある日、大きな決断をしました。
何十ものインジケーターを表示させるのをバッサリと辞め、トレンドライン一本すら引くのを止めたのです。
チャートから余計なものを全て削ぎ落としたとき、初めて見えてきたのは、マーケットが抱える理屈抜きの「歪み(バイアス)」と「アノマリー」でした。
25年間無敗の哲学:サイコロを振り続ける勇気
「今日は買いか? それとも売りか?」
毎朝、ニュースをチェックし、昨晩のダウの動きに一喜一憂し、著名なアナリストの予想に耳を傾ける。そんな努力をしているあなたに、私は残酷な真実を告げなければなりません。
「日経新聞を穴が開くほど読んでも、相場で勝つためにはクソの役にも立たない」。
マーケットの未来を完璧に予想できる人間など、この世に一人も存在しません。
もしそんな人物がいるなら、世界中の資産を独占しているはずですが、現実はノーベル賞学者を集めたヘッジファンドですら、予想を外して破綻する世界なのです。
私の「サイコロ投資法」は、その名の通り、毎日決まった時間にサイコロを振るように機械的に売買を繰り返すだけのシステムです。
日経225先物において、特定の時間にエントリーし、特定の時間に決済する。
この極めてシンプルな売買ルールが、1994年からの四半世紀、ITバブル崩壊もリーマンショックも乗り越えて、着実に利益を積み上げ続けています。
この25年間のデータが証明しているのは、ロジックの優秀さ以上に、「一貫したルールを継続することの爆発力」です。
多くのトレーダーは、3連敗もすれば「この手法はもうダメだ」と自分の判断を差し挟み、システムをゴミ箱に捨ててしまいます。
しかし、期待値がプラスだと証明された手法であれば、一時的な負けは「必要なコスト」に過ぎません。連敗の先にこそ、大数の法則によって導かれる勝利が待っているのです。
「釣れてもよし、釣れんでよし」:結果への執着を捨てる
システムトレードを継続する上で、最も高い壁となるのは、手法の開発ではなく「人間の感情」です。
人間は本能的に、利益を得る喜びよりも損失の痛みを数倍強く感じるようにできています。連敗が続くと、恐怖で次のボタンが押せなくなり、逆に大勝ちすると、慢心してルールを無視した無謀な勝負を仕掛けたくなります。
私が大切にしている座右の銘は、「釣れてもよし、釣れんでよし」です。
釣り人は、魚が針にかかるかどうかをコントロールすることはできません。彼にできるのは、実績のあるポイントを選び、正しい仕掛けを準備し、ただ淡々と竿を振ることだけです。
魚が釣れなかったからといって、川を呪ったり、自分を責めたりする必要はありません。また明日、同じように竿を振ればいいのです。
トレードも全く同じです。今日の勝ち負けは、マーケットという大海原の「気まぐれ」に過ぎません。私たちがすべきなのは、自分の意思を殺し、システムの「しもべ」となって、集金作業を淡々とこなすことです。
「昨日と同じ今日を生き、明日と同じ今日を生きる」。 この、一見すると味気ない、変化のない規律こそが、あなたの銀行口座を無限にお金を生み出すATMへと変貌させる、唯一無二の「逆転ロジック」なのです。
自分の意思を封印する覚悟
本稿の締めくくりに、最も大切なことをお伝えします。
それは、「あなたの考えなど、相場には一滴の価値もない」ということです。
「トランプ大統領が発言したから上がるだろう」「景気が悪いから下がるはずだ」。 こうした個人的な相場観や相場感は、トレードの邪魔になる不純物でしかありません。
これらを捨て去り、検証された「仕組み(システム)」の奴隷になれた者だけが、マーケットから継続的にお金を引き出すことができます。
不確実な未来に怯える必要はありません。
統計と確率という、揺るぎない数理の盾を持って、自らの意思を封印してください。そうすれば、明日の朝からあなたのトレードは、ただの「地味な作業」に変わり、銀行口座は静かに、しかし着実に膨らみ始めるはずです。
次回、第2回では、マーケットに潜む理屈抜きの規則性、「アノマリー」をハックする具体的な視点について詳しく解説します。
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