Last Updated on 2023年8月29日 by ぷーやん
江戸時代の末期、アメリカからペリーの黒船がやってきて、日本は長い鎖国時代の終わりを迎えた。
開国の影響が凄まじかったのは、何と言っても日本国内の金が大量流出したことだろう。
当時日本と欧米諸国では、金銀の交換比率が違っていた。
日本では、「金1に対して銀5」で交換されていたが、欧米では「金1に対して銀15」で交換されていたのである。
つまり、欧米諸国では、金がより高い価値を持っていた。
今で言うところの、めちゃくちゃおいしいアービトラージの機会が野ざらしにされていることをガイジンは見つけてしまった。
もちろん、この交換比率の違いに目をつけたガイジンは、濡れ手に泡で、日本の金を買い漁った。
自国から銀貨を持ってきて、日本で1分銀と交換し、その1分銀を今度は金の小判と交換する。
その小判を中国に輸出するだけで、簡単に3倍の利益を上げることができたのだ。
当時の中国では、既に欧米の金融機関が進出しており、日本の金を欧米の相場で買い取ってくれたので、わざわざ金を欧米に持ち帰る必要さえなかったのだ。
この方法で、外国商人たちはがっつりと金を手に入れることができたのである。
金が大量に日本から流出すれば、日本の貨幣制度が混乱してしまう。
その頃、欧米では、イギリスが金本位制を取り入れ、他の国もそれに追随しようとしていた。
金こそが「貨幣通貨の基準」になろうとしていたのだ。
金をより多く保有したものが、「金持ち」と言うことになる。
国際的に価値のある金が大量に流出する事は、「国際経済の中での日本」と言う立場においては、非常にまずい状況である。
幕府の官僚たちも、このことに気づいたが、後の祭りだった。
欧米諸国と日本は、最初に「金銀の交換は日本の交換比率で行う」と言うことを決めていた。
その時すでに100万両に及ぶ金が流出していたとも言われている。
相場のことなど何も知らない当時の幕府は本当にアホだったのだろう。
嗚呼、江戸時代に行きたい。
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