株高に浮かれるな!国民7割が資産を持たないまま直面する「インフレ地獄」

Last Updated on 2025年11月12日 by ぷーやん

「日経平均株価が上がった!景気が回復している!」

連日、メディアは株高を囃し立てる。しかし、あなたの財布の中身や、スーパーのレジで支払う金額はどうだろうか。株価の裏側で、日本の大多数の国民を静かに蝕む「インフレ地獄」のシナリオが進行しているとしたら?

その鍵を握るのは、日本銀行が必死に守ろうとしている「10年債金利1.7%の壁」だ。

静かなる危機、金利1.7%の壁

現在、日本の財政は極めて異常な状態にある。国債発行残高の半分以上を、日銀が抱え込んでいるという現実だ。

これは、政府と日銀が国債を介して深く結びついた「共依存」状態であり、市場原理が働かない状況を生み出している。

政府・日銀の本音は、この10年債金利を1.7%未満に抑えたい。

現在の日本の10年債金利はほぼ許容レベル上限の1.7%付近まで上昇している

理由は単純明快だ。金利が上昇すれば、国債の利払い費が爆発的に増加し、プライマリーバランスの黒字化は永遠に遠のくからだ。

つまり、金利上昇は「財政破綻リスク」を具現化するトリガーとなる。

実質金利が告げる「偽りの豊かさ」

では、この1.7%未満の金利は、日本の経済にとって本当に健全なのだろうか。

ここで見ていただきたいのが、実質金利だ。

実質金利 =名目金利 -期待インフレ率

現在の日本のインフレ率(物価上昇率)が3%と考慮すれば、名目金利が0.5%程度では、実質金利は依然としてマイナス2.5%にとどまる。

マイナスの実質金利は、預金者はインフレによって実質的に資産を減らし続けていることを意味する。

この「偽りの豊かさ」から脱却し、預金者が報われる健全な経済(実質金利プラス)に戻すためには、名目金利は2.5%、あるいはそれ以上に引き上げられる必要があるのだ。

金利2.5%への道は「財政破綻」への道

経済を健全化させるために、日銀が金利を2.5%まで上げたらどうなるだろうか。

巨額の国債残高を抱える日本政府にとって、2.5%という金利水準は利払い費を激増させ、日本の財政を文字通り圧迫する。

PBの黒字化どころか、利払い費が歳出を大きく食い荒らし、「財政破綻リスク」が現実味を帯びてくる。

ここに、日銀と政府の「詰み」のジレンマがある。

  • 健全な金利(2.5%以上)財政破綻リスクの増大
  • 低すぎる金利(0.5%未満) インフレの継続と国民生活の悪化

政府・日銀が選べる選択肢は、財政破綻を恐れて「低すぎる金利」を維持し続けることになるだろう。

国民の「7割」を直撃するインフレ・円安の地獄

金利を上げられない結果、何が起こるか?

それは、他国との金利差が埋まらないことによる円安スパイラルの継続であり、輸入物価高騰によるインフレ圧力の持続だ。

ここで、日本とアメリカの決定的な違いが露呈する。

日本アメリカ
株式・投信などの保有者割合約3割約5割以上
家計金融資産に占める現金・預金の割合約50%約11%

アメリカでは国民の半分以上が株式などの資産を保有しているため、株価が上昇しインフレになっても、資産価値の増加で生活防衛(ヘッジ)ができている層が多い。

しかし、日本は違う。国民の約7割が株式投資を行っていないのだ。

株高は進むが、国民の大多数は恩恵を受けられない。円安とインフレで企業収益が上がり株価だけは上昇する一方、預金金利はゼロ同然。

株高の恩恵を受けられず、賃金の上昇が物価上昇に追いつかなければ、実質的な購買力は低下の一途をたどる。国民の約7割は、この「貧しいインフレ」という地獄を受け入れるしかなくなるのだ。

株高に浮かれるな、地獄は始まっている

今の株高は、日本経済が健全だからではない。財政破綻リスクを恐れた日銀が金利を上げられず、その結果としての円安によって、輸出企業の利益が増えている側面が大きい。

低金利の罠から抜け出せず、円安とインフレが続く限り、大多数の国民は実質的な貧困化という結末を迎える。

株高に浮かれている場合ではない。この「インフレ・円安の地獄」を回避するためには、企業収益を伴う大幅な賃金上昇が絶対条件だ。

そうでなければ、私たちはこの地獄のシナリオをただ受け入れるしかなくなる。

これは、政府と日銀のジレンマであると同時に、国民の7割の生活を直撃する目前の危機なのだ。

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