Last Updated on 2026年1月22日 by ぷーやん

「株は格闘技だった」
そんな言葉が冗談抜きで通用した時代が、かつての兜町にはあった。
今回紹介するのは、1985年頃の東京証券取引所の様子を収めた貴重な映像だ。
画面に映し出されるのは、今の「静寂に包まれた東証」からは想像もできない、怒号と熱気に満ちた「場立ち(ばだち)」たちの姿。
今の東証に足を運んだことがあるだろうか。
正面玄関は鉄壁の守りで、うっかり足を踏み入れようものなら、鍛え上げられた警備員に速攻でつまみ出される。
中に入れたとしても、そこにあるのはただ円形に回り続ける電光掲示板と、無機質な空間だけ。
サーバーの実体すらそこにはなく、巨大な「株の墓標」のようなコストの塊が鎮座しているに過ぎない。
しかし、この動画に映る昭和の東証は違う。
あたりを見てほしい。証券マンたちが独特の「手サイン(手振り)」を繰り出し、まるで呪術かダンスのように売買を成立させていく。
マイクもコンピュータもない時代、彼らは指一本、腕一本の動きに数億円、数十億円の運命を託していた。
まさに「人間の生命力」が相場を動かしていた時代だ。
今の若手投資家からすれば、スマホ一台で完結するトレードが当たり前だろう。
だが、かつてはこの泥臭いやり取りの中に、相場の「呼吸」や「狂気」がリアルに宿っていた。
3兆円もの金をガマガエルの占いで動かした尾上縫のような怪物が現れたのも、こうした人間の熱量が理性を飲み込んでいた時代背景があったからこそと言える。
今の東証の、あの無駄に広いだけの空間を眺めていると、いっそこの動画のような「昭和バブル・アトラクション」に変えてしまった方がマシではないかと思えてくる。
警備員が仁王立ちする「拒絶の門」ではなく、当時の熱狂を再現し、誰でも場立ちの真似事ができるようなエンターテインメント施設へ。
この動画 に刻まれているのは、単なる過去の記録ではない。かつて日本経済が最も野蛮で、最も輝いていた頃の「証拠」そのもの。
効率化の名の下に失われた、あの「異常なまでの活気」を、今の投資家も一度は目に焼き付けておくべき。
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