なぜ銀は「悪魔の金属」と呼ばれるのか?1日で資産の3割が消える

Last Updated on 2026年1月31日 by ぷーやん

2026年1月30日、銀市場で起きた「1日で30%超の暴落」。

この数字がどれほど異常か想像できるだろうか。

普通の暴落なら「大事件だ」と騒がれるレベルでも10%程度。それが30%となると、もはや市場のルールそのものが壊れたに等しい。

歴史を紐解けば、今回の異様な事態は、過去の伝説的な暴落劇と驚くほど似た構造を持っていることがわかる。

1980年「ハント兄弟事件」との奇妙な一致

銀の歴史を語る上で避けて通れないのが、1980年の「シルバー・サズデー(銀の木曜日)」だ。

当時の主役は、世界中の銀を買い占めて価格を吊り上げようとした大富豪、ハント兄弟。

彼らの強気な姿勢で銀価格は数年で25倍以上に跳ね上がった。

しかし、取引所が「もうこれ以上、銀を買ってはいけない」という前代未聞のルール変更を行ったことで状況は一変。パニック売りが重なり、価格は垂直落下した。

今回の2026年の暴落との共通点は、市場に「極端な偏り」があったことだ。

今回の暴落の引き金は、次期FRB議長の指名をきっかけとしたドルの急騰。

それまで「銀こそが安全資産だ」と信じ切って大量に買いポジションを持っていた投資家たちが、ハント兄弟のように一斉に出口へ殺到した。

歴史は形を変えて、同じ「出口戦略の失敗」を繰り返したわけだ。

「偽りの安全」が招いた連鎖反応

なぜ、10%や20%ではなく「30%」も落ちたのか。そこには現代特有の「アルゴリズム」という怪物が潜んでいる。

過去の暴落、例えば2011年のシルバーショックの時は、人間が恐怖を感じてボタンを押すまでのタイムラグがあった。

しかし今は違う。価格が一定のラインを割った瞬間、コンピューターが自動的に「売り」を浴びせる。

今回の暴落でも、最初の5%の下落が次の10%の売りを呼び、それがさらに証拠金不足による強制的な決済を招いた。

この「死のループ」が、「ドミノ倒し」のように一瞬で最後まで倒れ切ってしまったのが、今回の33%暴落の正体だ。

「金・銀比率」という物差しの崩壊

銀という貴金属は、金(ゴールド)の弟分のような存在だ。

通常、金と銀の価格はある程度のバランスを保っている。しかし、今回の銀の暴落によって、この「兄弟の絆」が完全に引き裂かれた。

金も下がったが、銀の下落率はその数倍。

これは、銀が単なる宝飾品や資産としてだけでなく、半導体や太陽光パネルといった「工業製品」としての側面を強く持っているからだ。

  • 景気が冷え込む予兆
  • ハイテク産業の停滞懸念
  • ドルという通貨への過剰な集中

これらが一気に銀という出口から吹き出した結果、過去のどの歴史的事件にも劣らない「暴落の1日」が出来上がった。

この暴落が教える「歴史の教訓」

歴史上の暴落には必ず「共通のパターン」がある。

それは、「みんなが同じ方向を向き、絶対に安全だと信じ始めた時に、裏口が閉まる」ということだ。

1980年のハント兄弟も、2011年の投資家も、そして今回の2026年の市場参加者も、銀の持つ「輝き」に目を奪われ、その裏にある「流動性の低さ」を忘れていた。

銀は「悪魔の金属」とも呼ばれる。

一度牙を剥けば、どんなに頭の良い投資家でも、蓄えてきた利益を一晩で飲み込んでしまう。

今回の30%超えという数字は、将来の教科書に「21世紀最大の市場の歪み」として刻まれることになるだろう。

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