Last Updated on 2026年1月27日 by ぷーやん

「最強のステルス戦闘機F-35。その心臓部に中国産の石が埋め込まれている」……
この皮肉な現実に、今、米ペンタゴンが戦慄している。
かつて「世界の警察官」として君臨した米国が、自国の誇る最新鋭兵器の喉元を、事実上の敵対候補国である中国に握られていた。
1機あたり約417キログラム。F-35がその翼を広げるために消費するレアアースの量だ。
強力な磁力で機体を制御するネオジムや、エンジンの熱地獄に耐えるためのサマリウム、そして精製プロセスの99%を中国が独占すると言われるジスプロシウム。
これら一つでも欠ければ、世界最強の戦闘機はただの巨大な鉄クズと化す。
しかし、なぜこれほどまでのリスクを、歴代の米政権や国防関係者は「放置」し続けてきたのか。
その背景にあるのは、あまりに無邪気な「自由貿易への信仰」だった。
1990年代以降、米国はコストの壁と環境規制の厳しさから、自国の鉱山を次々と閉鎖した。
精製過程で有害物質をまき散らすレアアース産業を「汚い仕事」として中国に丸投げし、自らは安価で便利な供給網を享受する道を選んだのだ。経済の論理が、安全保障の危機感を完全に麻痺させていたといえる。
2022年、F-35のエンジン部品に使われていた磁石の合金が中国製であったことが発覚し、一時納入が停止されるという「事件」が起きた。
これは、グローバル化の果てに米軍のサプライチェーンがいかに末端まで汚染されていたかを象徴する出来事だった。
もはや、どこまでが自国製で、どこからが「敵国」の依存物なのか、当の国防総省ですら把握しきれないほど根は深くなっていた。
今、米国はようやくこの「自滅の罠」から抜け出そうともがいている。
2027年までに中国産磁石を軍需産業から完全に排除するという野心的な目標を掲げ、自国内での精製プラント建設に巨額の税金を投じ始めた。
オーストラリアや日本といった「同盟国」との結束を強める「フレンド・ショアリング」も、すべてはこの一点、つまり「中国に生殺与奪の権を握られた現状」を打破するためだ。
「世界の警察官」を辞任するかのような内向きな姿勢を見せる一方で、米国がこれほどまでに資源の自給自足に血眼になるのは、皮肉にも、自らの軍事力の存続がもはや風前の灯火であることを自覚したからに他ならない。
空の覇権を争うF-35の真の戦場は、もはや成層圏ではなく、地中の鉱脈と精製工場のラインに移っている。中国が「資源の蛇口」を完全に閉めるのが先か、米国が自立を果たすのが先か。最強の戦闘機を巡るこの資源戦争に、猶予は残されていない。
米国が「脱中国」を叫ぶ中で、実は世界中が日本の技術に熱視線を送っている。F-35の製造を維持し、米軍の存続を支える鍵は、皮肉にも日本企業の「脱レアアース技術」にあると言っても過言ではない。
現在、代替部品や技術の供給で注目を浴びている日本企業を紹介する。
「重レアアース完全ゼロ」を実現した先駆者
大同特殊鋼(および大同電子)F-35において最も懸念されているのが、高温下での性能を支える「ジスプロシウム」や「テルビウム」といった重レアアースの供給停止だ。
大同特殊鋼は、ホンダと共同でこれらを一切使わないネオジム磁石を世界で初めて実用化した。
2026年現在、中国による対日・対米輸出規制が強まる中で、彼らの「重レアアース・フリー」技術は、軍事用モーターの安定供給における「最後の砦」として期待されている。
直近10年間のチャート
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日本企業の「準備」が米軍を救う
2010年の尖閣諸島沖での衝突事件後、中国がレアアースの輸出を停止した際、日本企業は手痛い教訓を得た。それ以来、日本は15年近くかけて「いかにレアアースを使わずに高性能を出すか」という研究を地道に続けてきた。
皮肉なことに、この「日本がかつて味わった苦い経験」から生まれた技術が、今、サプライチェーンの断絶に震える米国にとって、F-35を飛ばし続けるための「生命維持装置」になろうとしている。
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