【敗軍の将兵を語る】本当は語りたくない株式投資の悲惨な敗北

[ 第一章】
初めて投資をやる人は、最初から儲かることしか考えていない

初めて投資をやる人は株でもFXでも、買った瞬間から値段が上がると思っている。

しかし現実は上るどころが下がっていく。

相場で勝つためには、失敗から多くを学ぶのだ。

まず僕の悲惨な経験がきっとあなたの役に立つだろう。

初めて投資をやる人は、最初から儲かることしか考えていない。

でもチョット待っていただきたい。素人が最初から相場で勝てること自体がおかしいのだ。

これから、僕がこれまで散々失敗してお金を失った経験をたくさん語っていく。

株でもFXでも何でもいいが、相場を始めようとする人は、まずこれを読んでからでも遅くはない。

人の失敗を見てから、それを教訓にするのだ

そうするとあなたは、当然相場で無くすであろうお金を無くすことなく相場で生き残ることができるのである。

消えるはずのお金が、消えずに残っているのだから、実質お金が増えたのと同じことだ。あなたはラッキーだ。僕に一割もらえないだろうか(笑)

株を買った瞬間あなたのお金は減っていく

たいていの人は、まず失敗なんてことは頭の中にない。

自分の買った株は、その瞬間、どんどん右肩上がりになり、お金が増えていくというイメージしかないのだ。

しかし、現実は全く反対のことが起こる。

あなたがその株を買った瞬間、株価はどんどん右肩下がりになり、あなたのお金は減っていく。

モニターに現れた口座残高がドンドン少なくなっていくのだ。

あなたはまさか自分のお金が減っていくなんてことが現実に受け止められない。

その瞬間、あなたはもう相場でお金を増やすどころか、取り戻すことさえできなくなるのだ。

ここで売れば損するけど、待てばいつかは元に戻ると...

しかし残念ながら、そのいつかは来ない。

月並みだが、これが相場の心理だ。

札束に火を点けて燃やしてしまう

普通の人間であれば誰でも持っている当たり前の心理だ。

だからみんな相場でも普通の反応をするので普通に勝てない。

勝てないと言うのはチョット間違いかもしれない。

札束に火を点けて燃やしてしまうのだ。

今まで必死で働いて稼いだお金をだ。

ここで初めて相場で失敗を経験する。

まさか自分には起こらないと信じていたことが、実際に自分自身に降りかかってきたことを。

【第二章】
儲けた人はどこにいるのか?

これから、相場に入ろうとしている皆さんに、僕の悲惨な経験を話することによって、少しでもお役に立てればと思っている。

今は、投資ブームだ。株、FX、225先物など魅力的な金融商品がたくさんあり、本屋でも投資コーナーには書籍があふれている。

素人でも儲かる、主婦が家事をしながらでも儲かる、サルでも儲かる...

サルでも儲かるなら、僕もあなたもとっくにサル以下ということになる。

しかしながら、その後儲けている人はあまり見かけない。

儲けた人はどこへ行ってしまったのだろうか。

サルだけが儲かって生き残っているのだろうか。

儲けたい一心で情報商材を買う

ネットの世界でも、マネー関係のブログやサイトはすごい。

「年収5千万なんて楽勝」「100万円が9ヶ月で1億円!」とかありえないコピーの連呼だ。

儲けたい一心で、儲ける為の情報商材を買ったことがある人なら、誰でも経験があると思うが、中身は本当に最低レベルのものが95%だ。

ではどんな情報商材が溢れているのか?

ここでは、あるメルマガより一部を抜粋してご紹介する。

「あなただけに教える『相場必勝法』。
これさえ知れば、もうお金の心配は要りません。限定販売200名。
定価59、800円の所、いまだけ、9、800円! 」


こんなキャッチだったような気がします・・・いや、もっと過激だったような気もします。飛び付きました!だって、80%以上オフですよしかし、その中身は・・・「怒りを通りこして、笑ってしまいました」どんな必勝法だと思いますか?

「あなたが考えた方向とは逆のことをしなさい! 」

「これだけで、もう、お金に困ることはありません! 」


確かに・・・このような情報が商材として、言葉巧みにどうどうと販売されているのです。買ってしまった方はいませんか? 情報商材マニアの人のメルマガより


これは、本当の話だ。すごい。ネットの世界は。

僕は、かろうじて、買わずにすんだが...

あなたは、大丈夫だっただろうか?

これはホントに極端な例だが、見事に情報商材の本質を表している内容だ。

実は、僕も儲けたい一心でお腹一杯、だまされたので良くわかる。

【第三章】
投資の第一歩は現物株

僕の投資の第一歩は現物株だった。

株に興味を持ったのは大学生の頃。

当時、投資ジャーナルという投資顧問会社があり、その代表を勤めていた中江という人がいた。

兜町の仕手筋として有名で、彼のことを知らない関係者はいない程だった。

彼のやり方は、一般の投資家から金を集めて、狙いを絞った銘柄に仕手を仕掛けて儲けるということをやっていたが、運用に失敗してしまい多額の損失を出しまう。

詐欺の罪で逮捕され、当時マスコミなどでもかなり報道されていたのでご存知の方も多いだろう。

出所後の中江さんは、なぜか行方不明になってしまう。

当時、その筋の投資家などからもお金を集めていたことがわかり、たぶんドラムカンに入れられ、コンクリートを詰め込まれて東京湾に沈んでいるとの噂もある。

大学生の僕は、そんな代表の中江さんに大変興味を持った。

理由は、何百億円というお金を動かす器量に惚れてしまったのだ。

会社の中身とかは、どうでもよかった。

オレもいつかは、何百億円のお金を動かす男になってやるぞっと真剣に思っていた。

それで、やっぱり株だよなっという話になり、株に興味を持ったのだ。


【第四章】
株をやらんヤツはアホと言われた時代

大学を卒業して、サラリーマンとして働き始めた時はちょうど世はバブルの待っただ中。

もう、猫も杓子も株、株、株、不動産、株という感じだった。

今では、考えられないが、当時の東証1部では、殆どの株価が4桁。

3桁の株価など、業績もセクターも関係なく、ただ割安感だけで買われていた時代である。

証券会社に勤める友人などは、上司から3桁の株価のリストを作成して内容など一切調べることなく、顧客に極秘情報として流していたと言っていた。

まさに、「株をやらんヤツはアホだっ」と言われていた時代だった。

懐かしい...あの頃へ戻りたい...

たった2週間で32万円も儲かった

僕が初めて勝ったのは、井上工業という当時の東証2部銘柄の建設株。

中でも建設株は特に株価が突出しており、そのセクターの3桁銘柄の一つが井上工業だった。

運よく、その株はすぐに上昇し、680円で1000株仕入れた株は、2週間で1000円になりすぐに売った。

たった2週間で32万円も儲かったのだ。

当時、手取りの月給が、16万ぐらいだったから、「こりゃサラリーマンなんてやっとれんな」とビギナーズラックとも知らずにそう思った僕はその後に始まる壮絶な運命が待ち構えているとも知らずに、有頂天になっていた。

【第五章】
株価が下がればナンピン買いしなさい

こうすれば、株で生活ができる?

その後、現物株を本格的にやろうと思って、ある本を買った。

「こうすれば、あなたも株で生活できる」っていうタイトルだったと記憶している。

内容は大型株、それも超大型株は、値幅が安定しているので、買うときは打診で少し買い、株価が下がってきたら、徐々に枚数を増やしてナンピン買いしなさいというものだった。

例えば、新日鉄の様な出来高がトップクラスで、流動性が高く、値幅もある程度のレンジを行ったり来たりしている銘柄を選ぶのだ。

最初に買う値段は、いくらでもかまわない。

買いたいと思った時に、とりあえず少量で先ず1000株打診買いするのだ。

そのまま値段が上昇していくようなら、10%程値上がりした時点で利確する。

逆に、値段が下がっていったら、買い増しをしていく。

最初に250円で1000株買って、その後値段が200円になったら、今度は2000株を買うのだ。

更に株価が下がって150円になったら、4000株というように、株価が下がる毎に枚数を増やしてナンピン買いをしていく。

ナンピン買いする値幅は、運用資金によって、フレキシブルに変更する。

たくさん運用資金がある人は、50円幅ではなくて、20円にすると、株価が下がって来たときには、たくさんの株を買うことができる。

逆に資金が少ない場合は、20円幅でナンピンすると直ぐに資金が枯れてしまうのでもっと値幅を大きくする必要がある。

この戦略はある程度運用資金があって、長期で運用するには有効だと思う。

しかし、お金に忙しい人がこれをやってしまうと、含み損の期間があまりに長くなった場合に精神的に耐えられなくなってしまう。

この方法で僕も最初は、3回くらいまでナンピンをすると、すぐに株価が跳ね返ったので10%~15%位は、簡単に儲けることができた。

「何だ、株なんて簡単だな」と思っていた。

【第六章】
5回目のナンピンなんて怖くてとてもできない

当然、調子に乗って、またどんどんナンピン買いをしていく。

250円→230円→210円→190円と株価はドンドン下がっていく。

さすがに、ナンピン買いが4回目となると、心配になってくる。

そして190円→170円と更に株価が下がっていくのだが、こともあろうに株価が170円になり、5回目のナンピン買いをしないといけないのが、精神的にこれができなくなるのだ。

今までは最高3回までのナンピンで、その後難なくリバウンドしてくれたからよかったものの、4回目のナンピン入れたら、もう精神的に参ってしまっていたのだ。

当然、5回目のナンピンなんて怖くてとてもできない。

本の理解と相場の行動は全く別物

本を読んで理解するのと、実際にお金を相場に突っ込んでやるのとでは、全く取る行動が違ってくるのだ。

いくら、本を読んでナンピンを5回、6回、7回入れてその後のリバウンドで大きく利益になることがわかっていても、やはりできない。

人間は、本能的に防御反応が働く。

だから、これ以上ナンピン買いできないという感情は、本能的には当たり前の感情であり、手がでない。

これ以上のナンピンができないので、後は株価が落ちて行くのをただ見てるしかない。

これも、普通の人間が取る行動だ。

こうして、最終的に株価は120円まで下がって行く。

そして、ひたすらリバウンドを待っていたが、株価はその後、底が120円で上限が150円のレンジ相場に入っていった。

初めての損切りで300万円失う

その頃は、ちょうどITバルブの最盛期で、市場ではソフトバンクや光通信が連日のストップ高を付けているような状態だ。

こっちは、塩漬けの新日鉄を持ったまま。

長期投資のスタンスなら、もうあとはほったらかしにするしかない。

どうしても、動きの派手な銘柄に目移りしてしまうものだ。

そこで、今新日鉄を売って損切りしても、連日のストップ高をつけているソフトバンクに買い換えれば、すぐに元は取り戻せるだろうと思った。

案の上、その日もソフトバンクはストップ高の比例配分で取引を終えた。

こうなったらもうこれ以上は新日鉄を持ち続けることができない。

そして、ついに大きな損切りをして新日鉄を売った。

株をやって、初めての大きな負け。

この損切りで僕は300万円失った。

ショックはさすがに大きかったが、気を取り直して、念願のソフトバンクを買う。

この瞬間、やっと本流のIT銘柄が買えた。これでしばらくはストップ高の恩恵にあずかり、損切りは大きかったけど、「なあに、すぐに取り戻せるよ」と信じて疑わなかった。

そして、現物株をやって最大の悲劇が襲ってくるのだ...

【第七章】
ITバブルがやってくる

前回は、超大型株の新日鉄を手がけて、ナンピン手法を使い、安値を拾ってその戻りを取ることにより儲けることができた。

しかし、あるレベルを超えて株価が下がると、心理的にそれ以上のナンピン買いができなくなり、そのまま株価が戻らない状態が続くと、含み損の状態に我慢ができなくなり、ついに大きな損切り。

動きの良い主流のソフトバンクへ目移りする。

1999年~2000年、ITバブルがやってくる。

この年から、株の売買手数料が自由化になり、松井証券等を筆頭に、ぞくぞくとネット証券会社が設立される。

いよいよ本格的なネットトレードの始りだ。

バブルの筆頭はソフトバンクと光通信

ITバブルの筆頭は、言わずと知れた、ソフトバンクと光通信。

連日、株価は天井知らずのストップ高が続いていた。

それまで、オールドエコノミーなどど呼ばれた超大型株である新日鉄を売買していた僕は、意を決してIT銘柄の本命であるソフトバンクを買う。

買ったこの日も株価はストップ高比例配分で取引を終了。

明日からの値動きが本当に楽しみだった。

どこまで上がってくれるのだろうと明日の寄付きが楽しみで仕方がないのだ。

しかし、これが悲劇の始りだった。

なんと、買った翌日を頂点に、株価はその後どんどん下がって行く。

光通信もどんどん下がって行く。

もうほとんどナイアガラの滝状態だ。

このチャートを眺めながら、僕は完全に凍りついた。

【第八章】
絶対に株価は元に戻る

この時の心理は、「いや絶対に株価は元に戻る」っと信じて疑わない。

希望的観測の何者でもないのだが...

それでも遠慮なしに、ソフトバンクの株価は下がって行く。

僕の精神状態は完全に麻痺し、正常な判断ができる状態ではなかった。

何せ、100万単位でお金が溶けていくのだ。

今切れば確実に損失は確定され、その時点で500万位の損失が決定する。

今切れば500万円の損失が決定する

しかし、売らなければ含み損にはなるけども、損失が確定しない。

「持っていれば、少なくとも損失は確定しない」。

この言葉が、損失を確定したくない、負けを認めたい気持ちを肯定してしまったのだ。

見事なプロスペクト理論である。

しかし、結果はボロボロ状態。

100株18万のソフトバンクの株価が、秋には、なんと1万円まで下がってしまう。

諦めの極致でついに手放した時には、もう完全に手遅れでだ。

この時、本当に株の恐ろしさを身に染みて理解した。

この失敗で投資資金の殆どを失ってしまった私は、何をするにも無気力、無関心状態になってしまった。

ご飯を食べていても、テレビを見ていても、車を運転していても、頭の中の何とも言えない敗北感が体中を支配しているようで、とにかく体が重く、何も楽しめる状態ではなかった。

僕が買ったソフトバンク株は、どんぴしゃりのタイミングで天井だった

今から振り返ると、僕が買ったソフトバンク株は、完全にどんぴしゃりのタイミングで株価が天井だったのだ。

まさに典型的な天井買い。皆がまだまだ上がると思っている時は、これから下がるジャンプ台の上だった。

儲ける人は、ここで空売りはできないとしても、買いは控えるのだろう。

負ける人は、ここで空売りなどどは思いつきすら無く、買いたい気持ちで一杯なんだろう。

素人が株でやられる見本だ。

負ける人の思考とは、だいたいこんなもの。

この頃から、僕は有料配信というものを知る。

「やはり株は、プロに聞くのが一番だろう。

プロのアドバイスに従って、こつこつ挽回しよう」と完全に他力本願になってしまうのである。

おわり