Last Updated on 2023年7月5日 by ぷーやん
バリュー投資をモットーとする大富豪のウォーレン・バフェット。
彼の持っている株を買えば、自分もお金持ちになるだろうと思っているだろうが、バフェットの投資手法であるバリュー投資は、会社の価値よりも株価がかなりバーゲン価格になるまで待たなければならない。
株価が下がるのをじっと待つ忍耐こそが、バフェット投資の本髄になる。
ではバフェットはどんな基準で銘柄を選んでいるかと言うと、とにかく財務内容が素晴らしい会社がまずは対象になる。
財務内容を調べる方法はいろいろとあるが、ここでは「キャッシュフロー・マトリックス」という方法をご紹介したい。、
オマハの賢人”と言われるバフェットの投資先を選ぶ基準は極めてシンプルだ。それはキャッシュフローに始まりキャッシュフローに終わると言っても過言ではない。キャッシュフロー・マトリックスは縦軸に投資キャッシュフロー、横軸に営業キャッシュフローをとったものである。
https://media.rakuten-sec.net/articles/print/35501
投資キャッシュフローは将来のキャッシュを生み出すために使われる先行投資である。企業が成長している時期にはキャッシュが設備投資等に使われるためキャッシュが出ていき、基本的にはマイナスとなる。
投資が進み、キャッシュが稼げるようになると、リターンが生み出され営業キャッシュフローがプラスとなる。多くの会社は営業キャッシュフローがプラスで投資キャッシュフローがマイナスであることから、以下の図の右下の領域に入る。
その中でも稼ぎよりも投資の方が多い場合には「投資期」に入り、稼ぎのほうが投資よりも大きければ「安定期」 となる。会社に投資先がなく、それまでに投資してきたものを売却するようになると投資キャッシュフローはプラスにてんじ「停滞期」となる。
投資をしなければ自ずと稼ぎも減ってくるため、営業キャッシュフローが減少すると「低迷期」に入り、さらに稼ぎが減少すると「後退期」となる。そして営業キャッシュフローがマイナスとなると「破たん期」になる。
この説明で行くと、財務内容の良い会社の条件は、営業キャッシュフローがプラスで、投資キャッシュフローがマイナスになる、右下のセルが良いということになる。
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さらに、右下のセルの「安定期」のエリアにある企業がバフェットが好む銘柄になる。
僕がキャッシュフロー・マトリックスを使って調べた会社に、イタリアの高級スポーツカー「フェラーリ」がある。
フェラーリのキャッシュフロー・マトリックスを見てみよう
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右下のセルのほぼライン上にあり、安定期のエリアにあると言ってもいいだろう。
このようにキャッシュフロー・マトリックスを使うと、とても簡単にバフェット好みの銘柄を見つけることができる。
これを使って片っ端から調べることで、財務内容と成長性に富んだ、いわゆる「良い会社」のデータを大量に手に入れることができるのだ。
ではどのようにしてキャッシュフロー・マトリックスを作ればいいのか、順を追って説明しよう。
まずは表を作成するためのスプレッドシートを用意しよう。
僕はエクセルでやっているが、無料のグーグル・スプレッドシートでも同じ要領でやればできるだろう。
最初にグラフを作成するための財務データを入手する必要がある。
MOOMOO証券に口座開設すると、これらの財務データを簡単に入手することができる。
ここではキッコーマンを参考にしてみる。
検索からキッコーマンを入力すると、キッコーマンの画面が現れる。
「財務」→「キャッシュフロー」を選択すると財務内容が見れるので、その中から、「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の項目をそれぞれコピーして、エクセルにデータを張り付ける
↓
「営業活動によるキャッシュフロー」から右側に並んでいる四半期ベースの数字を全てコピーする
↓
「投資活動によるキャッシュフロー」から右側に並んでいる四半期ベースの数字を全てコピーする
↓
コピーしたデータをエクセルに張り付ける
↓
前期の増減率と実数がそれぞれ併記されているが、必要なのは実数なので、営業と投資キャッシュフローの実数値のみ取り出す。
↓
営業活動によるキャッシュ・フロー | 投資活動によるキャッシュ・フロー |
591.97 | -266.2 |
236.03 | -47.05 |
150.68 | -107.39 |
173.3 | -66.68 |
31.96 | -45.08 |
520.93 | -161.05 |
203.15 | -9.28 |
103.17 | -35.16 |
118.94 | -62.99 |
95.67 | -53.62 |
571.67 | -168.86 |
-228.63 | -36.03 |
-67.12 | -37.97 |
-180.05 | -31.56 |
-95.87 | -63.3 |
419.58 | -287.77 |
370.23 | -256.98 |
376.45 | -146.4 |
261.36 | 132.35 |
表を選択後、「挿入」→「お勧めグラフ」から「散布図」を選択
↓
このままでは、縦軸と横軸のバランスが悪いので、横軸の「営業キャッシュフロー」と縦軸の「投資キャッシュフロー」の最大値と最小値の絶対値を揃える。縦塾の横軸の数値をダブルクリックすると編集できる
↓
縦軸と横軸の範囲が揃った
↓
「挿入」→「図」→「図形」から直線の図を選択
↓
縦軸と横軸の「0」点を通るようにラインを引くと完成
↓
キャッシュフロー・マトリックスを作ると、一目で財務内容や成長性がわかるので、とても便利だ。
これがあれば会社四季報を読み込むよりも遥かに効率的に銘柄を絞り込むことができるだろう。
バフェットのバリュー投資をしたい人にはお勧めです。
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