Last Updated on 2019年10月23日 by ぷーやん
自動でロボットが資産運用をしてくれるという会社がある。
預かり資産1700奥円、運用者数15万人、ロボアドバイザーNO1という今大人気の資産運用会社のウェルスナビだ。
スマホのアプリでちゃちゃっと毎月の積立金額を設定しておけば、あとはほったらかしで、あなたの代わりにロボットが世界中の株やら債券やらコモディティ商品に分散して売買してくれるのだ。
その手軽さが投資初心者に大受けしている。
今回は「ウェルスナビに興味があるが、どれくらい儲かるのか?」ということについて書いてみる。
目次
- ロボットが世界水準の金融アルゴリズムで運用
- 2016年からのリターンは、+18.7%
- プラスの成績だが、実はインデックスにはぼろ負けしている
- テクノロジーの力というよりも、たまたま市場平均が良かっただけ?
世界水準の金融アルゴリズムで運用
資産運用の必要性は感じつつも、実際に始めようとした場合、掃いて捨てるほどある投資信託の中から、どれが一番安定して儲かるかを選ぶなど、めんどくさくてやってられない人がほとんどだろう。
大体、儲かる投資信託などほんの一握りで、その他大勢はごみのような存在だと僕は思っているので、そもそも調べる気にもならない。
人間、基本的にめんどくさいことや、頭をつかうことは大嫌いな生き物だ。
心理学的に言えば、ウェルスナビのロボアドバイザーはそこを実にうまく突いて初心者から膨大なお金を集めている。
そして小難しい表現で金融最先端のイメージを演出している
- テクノロジーの力で誰もが世界水準の資産運用ができる
- 相場の動向に惑わされず、あなたの代わりにすべて自動で資産運用
- ノーベル賞受賞者の理論に基づいた金融アルゴリズムを採用
- 効率的フロンティア に基づくポートフォリオの構築
これだけ読むと「なんか知らんけど、すごそうやなー」と初心者は飛びつく訳である。
2016年からのリターンは、+18.7%
ウェルスナビのサイトでは、運用実績を公開しており、最大リスクを許容したパターンで、2016年~2019年9月までのリターンは、+18.7%であった。
ちなみに最小のリスク許容度でのリターンは、+9.3%だ。
ここ言う「リスク許容度」とは、 「どれくらいまでなら投資元本がマイナスとなってもメンタル的に耐えられるか」というものだ。
つまりウェルネスの運用成績は、「最大リスク許容度=全部飛んでもかまわない」場合でのパフォーマンスが+18.7%ということだ。
「投資元本が全部飛んでも構わない」と思って運用できる投資家が、はたしてどれくらいいるのだろうか?
また成績だけ見るとプラスのリターンで一見立派な数字にみえるが、実際に他の指数と比較しないと、この数字が凄いのか大したことがないのかよくわからない。
プラスの成績だが、実はインデックスにはぼろ負けしている
するとこんなツイートがあった。
ウェルスナビ、なんか旨いこと言っているが利回りでは完全にインデックスに負けている。hpにある条件で比較すると、2016年1月~2019年9月までの運用利回りは、
・ウェルスナビ(リスク許容度MAX) +18.7%、
・S&P500インデックス +37.4%
S/Rまでは見る気が失せた。 https://t.co/5b05rfNUT3— UKI (@blog_uki) October 17, 2019
そこで僕も日経平均225先物のインデックスの利回りを調べてみたら、同じ期間で+48.5%だった。
テクノロジーの力というよりも、たまたま市場平均が良かっただけ?
もう一度、ウェルネスのアピールを見てみよう
- テクノロジーの力で誰もが世界水準の資産運用ができる
- 相場の動向に惑わされず、あなたの代わりにすべて自動で資産運用
- ノーベル賞受賞者の理論に基づいた金融アルゴリズムを使用
- 効率的フロンティア に基づくポートフォリオの構築
「最新テクノロジー」だか、「ノーベル賞理論」だか、「効率的フロンティア」だか知らないが、そんなものを使わなくても、単純に市場平均に乗っかっている方がはるかに儲かっていることになる。
アクティブ運用というのは、ある期間を切り取ると、どんなロジックでも立派に機能する期間はあるので、こうした目先の期間で実力を判断するのは極めて難しい。
ウェルネスナビのサイトをよく見ると、1992年からのバックテストも掲載されていたので、それを見ると1992年に100万円を投資し、その後毎月3万円ずつを積み立てた場合の利回りは.+146%になるという。
↓
1992年スタートということは、現在までの運用期間は30年近くもなるわけだが、その期間の割には、少し成績が物足りないような気もする。
参考に、僕の225先物システムの成績をご紹介すると、2007年~2019年9月までの運用期間は12年間と半分以下にもかかわらず、単利で+338%になる。
このロジックは、AIロボットも使わないし、ノーベル賞の理論によるアルゴリズムも使わないし、世界中の金融資産に分散もしない。
単純に225先物の値動きだけを分析して組み立てたシンプルなロジックである。
↓
初心者ほど、小難しい言葉の裏に潜んでいる権威に騙され相場の本質を見失ってしまう。
AIロボットだから、経済学者だから、ノーベル賞受賞者だから、といって簡単に相場で勝てるはずはないのである。
まとめ
- 小難しい表現で金融最先端のイメージを演出している
- 2016年からのリターンは、最大許容リスクの条件で、+18.7%
- プラスの成績だが、実はインデックスにはぼろ負けしている
- テクノロジーの力というよりも、たまたま市場平均が良かっただけ?
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