AIで運用するファンドが全滅

Last Updated on 2019年10月29日 by ぷーやん

AIで運用するファンドが全滅

AI投資って最近よく聞くけど、やっぱり人間でやるより機械の方が上手にお金を運用してくれるのかな?

今回は金融の世界で、AIがどれくらい活躍しているのかその実態を書いてみる。

目次

  • AIで運用するファンドが全滅
  • 日経平均のインデックスを買うだけで簡単に儲かる
  • 平成史に残るクズ投信

AIで運用するファンドが全滅

AIはもはや我々の生活には欠かすことのできない重要な技術になりつつあるが、資産運用の世界ではまだまだその恩恵には預かりそうもない。

AIを使ったアクティブ運用を行う投資信託で、1年以上経過した10本の投資信託の運用成績はなんと全てマイナスだったという。

この期間のインデックスはプラスに推移しており、毎度お馴染みの「アクティブ運用はインデックスに勝てない」という定説を、鳴物入りのAIを使っても覆せなかった。

投信を運用するゴールドマンサックスは、「米国大型株で株価の割安感や経営の質を評価する視点が運用成績に繋がらなかった」とのコメント。

要するにトンチンカンな判断でお金を減らしてしまっているだけのことだったのだ。

「大型株の割安感や経営の質を評価する」と聞けば何やら難しそうな分析を駆使してうまく運用してくれそうな感じがするが、実際の運用成績にはクソの役にも立たない。

日経平均のインデックスを買うだけで簡単に儲かる

そんなややこしいことをしなくても米国市場は昔から上昇しているので、単純なフィルターを使うだけで十分通用するはずだ。

例を挙げよう

ここに米国時間だけの値動きを比較したグラフがある。

一つはNYダウ指数と、もう一つは日経平均株価だ。

日本のマーケットは過去30年以上沈んだままだと言われるが、米国時間に限って言えば、何と日経平均はNYダウと同じように上昇しているのだ

NY時間は日経平均に連動した日経225先物がCMEに上場しているので、当然、NY市場の影響を強く受ける。

しかしいくらNY市場の影響を強く受けると言っても、これほどまでに相関が強いとは検証するまでわからなかったのでとても驚いた。

これなら、東京時間の大引けでロングポジションを持ち、翌朝の寄り付きで売るという売買を毎日繰り返せば簡単に儲かる手法ができる。

ややこしいAI投資などよりよほど簡単でわかりやすいのではないだろうか。

AI投信は膨大な量のデータを読み込み分析する。

企業の業績や財務、株価情報、人間ならば読み切れないような量のアナリストリポートや、衛星写真から読み取れる物流動向なども分析の対象にする。

しかしいくらAIがスゴイと言っても、どんなデータを使うかでその結果は天と地ほどの差が出てくる。

単純にAIがスゴイからといって、AI投信を容易に買うのは避けた方が良さそうだ。

平成史に残るクズ投信

AIを使った最先端の運用がいかに話題先行で、蓋を開けてみるとかなり苦戦しているのがおわかりになったと思う。

いろいろ他の投資家のブログを見ていると投信の研究をしている人が多く、とても参考になる。

その中に話題のAIを使った投信の調査報告をしているブログがあり、その悲惨な運用状況は目を覆うばかりだ。

その一つに「AI日本株式オープン」というものがある。

このファンドの最大の売りは、日本株への投資を通じて、リスクを抑えながら安定的にリターンを獲得していく運用を目指すというもの。

このファンドを組成しているのが三菱UFJ国際投信で、あまりにもの成績の悪さから、「平成史に残るクズ投信」と揶揄されるありさま。

AIオープン

こちらが三菱UFJ国際投信の運用報告書

まるでこのAIは、北浜流一郎バリの究極の曲がり屋になっている。

この曲がり具合を逆手にとって、AIの判断とは全く逆のポジションで運用すればガンガンに儲かることになるのだが、もしかしたら運用担当者はこのことに気が付いてこっそりと自分だけ逆ポジションを持っているのだろうか。

「AI = 儲かる」と信じている人は多いと思うが、できるだけ多くの人にこの現状を知ってもらう必要がありそうだ。

情報弱者は今の時代には致命的だが、特に相場においては即死する可能性が高い。

「CMでよく流れている大企業だし、AIを使って最先端の運用をしているから安心」

もしあなたがそう思っているのなら、はやく眠りから目を覚まそう。

まとめ

  • AIで運用するファンドが全滅
  • NY市場の取引時間は、日経平均株価はNYダウと同じ動きをする
  • 平成史に残るクズ投信は 三菱UFJ国際投信

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