Last Updated on 2023年6月13日 by ぷーやん

FXの取引は、レバレッジを利かせて大きなロットで勝負するスキャルピングを好む人が多いが、頑張ってトレードする割には実入りが少ないという印象がある。
実入りが少ないならまだしも、トレード回数ばかり増えてスプレッドというコストをブローカーに寄付するだけの行為にも見える。
そこでもっとゆったりとしたやり方で資産運用したい人が参考になるように、ドル円のブレイクアウト手法を検証してみた。
目次
- FX相場はランダムだが、攻略法はある
- ドル円を使ったブレイクアウト手法
- 日足ベースでゆったりトレード
- ブレイクアウトを順張りで使う
- ブレイクアウトを逆張りで使う
- 順張りと逆張りを両方走らせるとよりパフォーマンスが上がる
FX相場はランダムだが、攻略法はある
FXは毎日500兆円という天文学的な金額が動く世界で、その動きはランダムだ。
世界中のプロトレーダーが虎視眈々とお金を稼ごうとあらゆる情報を駆使し、常にマーケットを監視しているので、我々ごときがまともに歯向かってどうにかなる世界ではない。
しかしマイペースでのんびりと相場に向き合えば、ランダムな市場でも攻略法がないことはない。
ここでは誰もが知っているが、詳しい検証した情報がほとんどないので、実際の有効性に疑問を持っているブレイクアウト手法について、実際に2007年からのマーケットでドル円を使って検証し、その結果を書いてみる。
ドル円を使ったブレイクアウト手法
ブレイクアウト手法など、どの本にも書いてあるし、誰もが知っている手法だが、うまく使いこなしている人はほとんど見かけない。
あまりに古臭くて、当たり前過ぎて、シンプル過ぎて、こんなんで儲かるんだろうかとやる前から思い込んでいる人は多いのではないだろうか?
ビットコインでもブレイクアウト手法を使ったやり方をご紹介したが、要はしっかりと検証することで、結構使える金融商品は多いと思っている。
↓
日足ベースでゆったりトレード
ゆったりしたトレードなら時間足は日足で十分だ。
ここで検証する通貨はドル円。
使用するファクターは、単純移動平均と、高値・安値を判定する期間のみ。
ではさっそく見てみよう
ブレイクアウトを順張りで使う
まず15日間の単純移動平均を計算する。
- 単純移動平均が前日比で上昇していれば、上昇トレンドと判断する
- 単純移動平均が前日比で下落していれば、下降トレンド と判断する
移動平均の期間はさほど神経質にならなくても大体でよい。
あまり機関が短すぎるのもよくないが、大体15日~30日程度が目安。
- 上昇トレンドの時に、当日の日足の高値が前日の高値を抜けたら、買いサイン。
- 下降トレンドの時に、当日の日足の安値が前日の安値を抜けたら、売りサイン。
売買サインが出たらすぐにエントリーするのではなく、翌日の始値でエントリーする。
例えば日足の始まりが9時で、買いサインが出たら、エントリーは9時の時点で行う。
そして次の売りサインがでるまで、買いポジションを保持し、売りサインが出たら、買い→売りポジションに切り替える。
これをドテンという。
ドテンとは買いから売り、売りから買いへポジションを変更することで、常に買いか売りのポジションを保有することになる。
ドテンする場合も、必ずエントリーは日足の始値(9時)で行い、この時間以外でのエントリーはしない。
こうして買いか売りのエントリーをサインに従って淡々と続けていくだけだ。
このやり方は、前日の高値、安値をブレイクした時に順張りでトレンド方向にエントリーするというやり方で、強い勢いでトレンドが発生したときに有効だ。
ブレイクアウトを逆張りで使う
移動平均のトレンド方向にポジションを取るという意味では同じだが、これから紹介するのは、3日間の高値、安値をブレイクしたら、逆張りでエントリーするやり方である。
買いサイン
- 単純移動平均が上昇トレンド
- 3日間の安値を下にブレイクする
- 翌日の始値で買いエントリー
売りサイン
- 単純移動平均が下落トレンド
- 3日間の高値を上にブレイクする
- 翌日の始値で売りエントリー
このやり方は、トレンド発生中に一旦押し目を付けたのを確認してからエントリーすることで、ブレイクのだましを避ける効果がある。
順張りと逆張りを両方走らせるとよりパフォーマンスが上がる
それでは、順張り、逆張りのそれぞれのパフォーマンスを見てみよう。
順張り 2007年~2019年10月現在
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リスク20%で、平均年利1.8%、最大ドローダウン27%
逆張り 2007年~2019年10月現在
↓

リスク20%で、平均年利4.9%、最大ドローダウン20%
2つを比較すると、順張りより逆張りのほうが、圧倒的にパフォーマンスが良い結果となった。
それぞれの損益を重ねてみる

では、逆張りだけを採用したほうが良いのかというとそうではなく、実は順張りと逆張りを同時に走らせたほうがよりパフォーマンスは向上する結果になった。
順張り+逆張り

リスク20%で、平均年利5.5%、最大ドローダウン27% となり、2つを走らせることで、パフォーマンスが年利で12%向上した。
順張りと逆張りを同時に走らせることで更にパフォーマンスが上がることが分かったと思う。
リスク許容度を上げれば、パフォーマンスは簡単に上がるが、リスクを上げた分だけ、調子が悪い時期には口座残高がみるみる減っていくことになり、これを目の当たりにしたあなたは間違いなく途中で運用を辞めるだろう。
規律のあるシステムトレードは、続けなければ全く意味がないので、続けられるかどうかは、すべてリスク許容度にかかっている。
リスク許容度は運用資金によっても変わるが、通常は20%以下にすることをお勧めする。
この手法が良いところは、予め決まった時間にサインを確認してポジション調整するので、自動化が簡単にできることである。
自動化といえば「ロケットマウス」という神のツールがあるので、自宅で自動売買にトライした人は、一度検討してみてはいかがだろうか。
ロケットマウスを使った自動売買についての記事はこちら
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まとめ
- ブレイクアウト手法は日足ベースでゆったりトレードができる
- 順張りと逆張りを両方走らせるとよりパフォーマンスが上がる
- リスク許容度は20%以下にする
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