Last Updated on 2022年1月30日 by ぷーやん
僕の本棚にはこれでもかと言うくらいに投資本で溢れかえっている。
一時はトレードのアイデアが沢山欲しくて、パンローリングの本などは片っ端から買い漁ったが、今となっては完全に本棚の肥やしになっているw
誰かのブログで、「魔術師リンダ・ラリーの投資法」というタイトルの記事があったのでふむふむと読んでみると、何やらスゴイものだと興奮気味に書かれていた。
「まあ、魔術師だからなー、スゴくなかったら魔術師とは言わんよなー」などと陰口を叩きつつ、僕もリンダ・ラリーの本は持っているが、内容などとっくの昔に忘れ去っていたので、「今でも使い物になるのかなー」と少し興味が沸き早速検証してみることにした。
これが魔術師・リンダ・ラリーの投資本ね
結構良い値段するんだよねえ
この中に「ナローレンジ」を使った投資法が紹介されている。
ナローレンジとは、狭いレンジ幅という意味で、過去4日間で最も値幅の小さな足の次の足が、高値を抜けば買い、安値を割れば売りという極めて単純な手法。
このほかに、ハラミ足や移動平均線でフィルタリングする方法もあるが、今回はとりあえずシンプルに、設定レンジ期間の一番値幅の小さい足(陽線と陰線は区別する)が出現した時に、安値、高値のブレイクは無視して翌日デイトレするとどういう結果になるかという検証をしてみた。
株でもFXでも何でもいいのだが、とりあえず先物で検証。
データは日中足と、ナイトセッションの2種類を使い、それぞれを比較してみた。
レンジ期間はデフォルト4日間だが、これはパラメータにして期間を最適化させてみた。
マザーズ先物
2018年~2020年11月現在(1枚)
ナローレンジ4日間(日中)
4日間で一番値幅の小さい足が出現したら、翌日のマーケットオープン(8:45)でエントリーし、大引け(15:15)で決済する。
判断する足が陰線なら翌日買い、陽線なら売り
前日陰線/L | 前日陽線/S | 計 | |
損益 | 415,001 | -9,001 | 406,000 |
勝率 | 64.1% | 49.5% | 56.4% |
#レシオ | 0.34 | -0.01 | 0.14 |
MDD | -64,000 | ||
PMレシオ | 6.3 |
おー、なかなか良いではないか。
単純な手法だけど、やっぱり手法って単純な方がうまくいくのよね。
でも、ロングにバイアスが掛かっていて、ショートは損益マイナスなのがちょっと気になる。たまたま上昇相場でロングが良かっただけかもしれない。
検証で大事なのは、ロングとショートの損益のバランスが取れている事。
このように極端にロングサイドだけの損益がプラスになっているということは、今後、マーケットの値動きが変わってくると、手法がうまく行かない可能性もある。
そこで、ナローレンジ期間は4日の設定だけど、これを7日にするとどうなるか見てみよう。
前日陰線/L | 前日陽線/S | 計 | |
損益 | 281,001 | 176,999 | 458,000 |
勝率 | 66.0% | 58.2% | 63.3% |
#レシオ | 0.37 | 0.21 | 0.29 |
MDD | -59,000 | ||
PMレシオ | 7.8 |
4日→7日にレンジ期間を変更することで、ロングとショートの損益のバランスが格段に良くなった。
これなら今後、マーケットの値動きパターンが変わってきても、うまく機能する可能性が高い。
次にこちらはナイトセッションのデータを使って検証したもの
ナローレンジ4日間(ナイトセッション)
4日間で一番値幅の小さい足が出現したら、翌日のナイトセッションのマーケットオープン(16:30)でエントリーし、翌朝引け(5:30)で決済する。
前日陰線/L | 前日陽線/S | 計 | |
損益 | 115,001 | 62,999 | 178,000 |
勝率 | 65.3% | 40.0% | 54.2% |
#レシオ | 0.14 | 0.07 | 0.11 |
MDD | -67,000 | ||
PMレシオ | 2.7 |
こちらも4日から7日へ変更してみると、
あれれ、なんか微妙だな。
ナイトセッションは長くするとあまりよくない感じで、レンジ期間が4日と短い方があっているみたいだ。
デイとナイトを合わせたもの
day | night | 計 | |
損益 | 458,000 | 178,000 | 636,000 |
勝率 | 63.3% | 54.2% | 58.8% |
#レシオ | 0.29 | 0.11 | 0.20 |
MDD | -75,000 | ||
PMレシオ | 8.5 |
単純なナローレンジ手法だが、さすが魔術師師が考えた手法、結構使えそうな結果になった。
書籍が発売されたころは、今の様にパソコンでチャチャっと検証できなかったので、なかなか他の金融商品で検証するのが難しかったけど、今はネットで簡単にデータが無料で取れるので、この手の検証をやろうと思えばいくらでもできる良い時代になった。
今回は先物でやってみたけど、株でもFXでも何でも片っ端から検証してみると、更に「おおっ、スゲーぞ!」というものも見つかるかもしれないので、やってみる価値は十分にある。
多くの人は他人の検証結果を見るだけで、実際に自分でやる人はホントに少ないからね。
検証なんてやったもん勝ちで、やらないよりやった方が絶対に良いし、苦労して自分で見つけたモデルならとても愛おしくなるものだ。
さあ、あなたも四の五の言わずに検証してみよう!
PS
検証したいけどやり方がわからない人は、エクセルで作った検証ツールをご提供しているので、これを使えば誰でも簡単に検証が可能。
パラメータとして、レンジ期間を変更して最適化できるし、判断する前日足が陽線、陰線の場合に、翌日に買うか、売るか(1は買い、-1は売り)を選択できる。
更に倍率を変更することで、先物から個別株、FXなど複数の金融商品を片っ端から検証可能だ。
倍率は、マザーズ先物なら1,000倍、225先物ミニなら100倍、個別株なら100倍(最低単元株)という感じで、金融商品に合わせて変更すればよい。
パラメータ | |
レンジ期間 | 7 |
前日陰線 | 1 |
前日陽線 | -1 |
倍率 | 1,000 |
今日も、「相場は僕のATM!?」に来てくれてありがとうございます。
記事の下にある「ブログ村」のバナーをポチっとしていただくと、とても嬉しいです。
人気記事
コロナ相場が待ち遠しくなるVIX(恐怖指数)でヘッジする最強のトレード手法