Last Updated on 2023年11月13日 by ぷーやん

株をやったことの無い人に、株で儲けるにはどうすれば良いかと聞くと、ほとんどの人が「安い時に買い、高い時に売る」と答える。
これが実際にはどれほど難しい事かは、株をやっている人なら良くわかるだろう。
実際には、安い株はさらに売られて下がり、高い株はさらに買われて上がるのがリアルの相場である。
よくガイジンは順張り思考で、日本人は逆張り思考だと言われるが、あまり逆張り脳に支配されると、順張りで上がっていく株を追いかけて買うことに対し、かなり心理的な抵抗が大きくなる。
また下がっていく株を空売りするのも同様に心理的な抵抗が大きくなる。
逆張り派は、下がっていく株を、単純な値ごろ感で「これだけ安くなったから」という主観的な判断で、リバウンド狙いの逆張りで買うのを好む人が非常に多い。
しかし長い目で見ると、よくわからない値ごろ感で逆張りで売買するよりも、単純に相場の流れに乗って順張りで売買する方が初心者には成功する確率が高いと思う。
短期の順張り手法である「スイングモデル」は、トレンドフォローモデルとして極めてエッジのある売買手法だが、欠点を上げるとしたら、値動きが小さくなり方向感の無いレンジ相場が現れた時に、騙しのサインを連発することである。
そこでスイングモデルのデメリットを補う方法として、ロングとショートをひたすら繰り返すドテンモデルを開発した。
「スイングモデル」は、24時間という時間軸においての相場のトレンドのクセを利用するものだが、ドテンモデルは、ロングとショートを交互に持ち、常に相場に対してポジションを保有するスタイルだ。
トレードの理想は、相場の上下の波に上手く乗り、ロングとショートを交互に繰り返すドテン手法
相場の上下の波に上手く乗り、24時間・365日ポジションを保有すると言うのは寝言だと思われるかもしれないが、あくまでも理想の形を追いかけてみたい。
ドテン売買というのは、相場の上昇や下降の流れに乗り、その流れに合わせてロング(買い)とショート(売り)のポジションを繰り返す手法だ。
つまり24時間365日、相場において常にポジションを持っている状態になる。
ドテン売買を成功させるにはトレンド分析が不可欠だが、トレンドを判断するために、様々なテクニカル指標やチャートパターンを利用するのが一般的だ。
例えば、移動平均線やMACD、RSIなどの代表的なテクニカル指標を使ったり、移動平均からの一定の乖離幅を利用するなど、方法はそれこそ無限にある。
今回開発したドテンモデルは、移動平均やMACDなどのテクニカル指数は使わず、独自で開発した指数を使ってトレンド分析を行っている。
様々な市場でドテンモデルを検証してみたが、ドテンモデルに適している銘柄は、値動きが大きく、相場のトレンドがはっきりとしている銘柄だ。
相場がしっかりとしたトレンドを形成している銘柄や市場において、ドテンモデルは極めてフィットしているのを実感した。
具体的な銘柄としては、日経平均株価やダウ・ジョーンズ工業株30種などの株価指数が有効で、これらの指数は、多くの銘柄の動きを代表しているため、相場の流れを的確に把握しやすく、ドテンモデルに適した銘柄といえるだろう。
まさに日経平均株価から派生した225先物はドテン売買にうってつけというわけである。
直近の3月~5月の225先物相場でのドテンモデルのエントリーを見ると、相場は低いボラティリティにも関わらず、中期的にはしっかりとしたトレンドを形成し、まるで絵に描いたようにドテンモデルがうまく機能している。
↓

逆にうまく行かない時は、相場がレンジ相場になっている時や急激な変動が続く場合だ。
レンジ相場では、上昇と下降の動きが交互に繰り返されるため、ドテンモデルがうまく機能せず、急激な変動が続く場合には、ドテンモデルは市場の変動に遅れをとるため、予測に失敗して損失を出す。
↓

ドテン・モデルのパフォーマンス
2006年~2023年6月現在のパフォーマンス

常にポジションを持ち、ロングとショートをひたすら繰り返したドテンモデルだが、ドテン売買でここまで見事な右肩上がりの損益カーブはなかなか見られないと思う。
パフォーマンス
225先物ミニ1枚
単位:円
L | S | 計 | |
損益 | 4,231,000 | 2,574,502 | 6,805,502 |
勝率 | 50.2% | 39.8% | 44.7% |
SR(シャープレシオ) | 0.15 | ||
PMレシオ | 18.6 | ||
MDD(最大ドローダウン) | -366,500 | ||
期待値 | 8,513 | 5,180 | 6,847 |
PR(ペイオフレシオ) | 1.96 |
ロングとショートの収益も隔たりがなく、どのような相場環境でもバランス良く収益を確保できている。
PR(ペイオフレシオ)は、勝ち損益が負け損益の2倍と理想的な損小利大になっている。
年間損益
2006 | -7,000 |
2007 | 435,500 |
2008 | 879,000 |
2009 | 436,000 |
2010 | 21,000 |
2011 | 105,500 |
2012 | 65,000 |
2013 | 769,500 |
2014 | 630,500 |
2015 | -71,000 |
2016 | 707,500 |
2017 | 91,500 |
2018 | 699,000 |
2019 | -100,500 |
2020 | 616,500 |
2021 | 205,500 |
2022 | 863,500 |
2023 | 458,500 |
直近1年間の月次損益
2022/1 | -54,500 |
2022/2 | 28,000 |
2022/3 | 66,000 |
2022/4 | 261,000 |
2022/5 | -1,000 |
2022/6 | 180,500 |
2022/7 | 138,000 |
2022/8 | -15,500 |
2022/9 | -8,000 |
2022/10 | 231,000 |
2022/11 | -74,500 |
2022/12 | 112,500 |
2023/1 | -28,500 |
2023/2 | 69,500 |
2023/3 | 149,000 |
2023/4 | 158,000 |
2023/5 | 135,000 |
2023/6 | -34,500 |
トレンドフォローは、短期と中期の時間軸を同時に走らせると更に効果が増す
2023年は低いボラティティの影響を大きく受け、スイングモデルはパフォーマンスが大きく低下している。
スイングモデルの損益カーブ
2023年1月~4月
↓

全ての問題はボラティリティである。
しかしこればかりは相場に聞くしかなく、全ては相場次第という何とも身もふたもない話になってしまうが、低いボラティリティが今後続いても、それなりのパフォーマンスを上げる必要が出て来る。
ボラティリティの低い時にいちばん厄介なのが、日足ベースで上下に長いヒゲが連続するパターンで、上下の長いヒゲの
中でエントリーしてしまい、結果的に騙しのサインになってしまうことである。
↓

2023年の2月-3月にかけて長いヒゲが連続して出現するパターンが現れ、騙しのエントリーが多発した。
スイングモデルは、ポジションの保有時間が24時間なので、日足ベースでこのようなパターンが連続すると損失が大きくなる。
保有時間がスイングモデルより長いドテンモデルの場合、大きなトレンドを認識してポジションを保有し続けるので、上図のような日足ベースで上下に長い連続したヒゲが発生しても、これらのノイズに影響されることがないという利点がある。
下のグラフは、今年2023年のスイングモデルとドテンモデルの損益を比較したもの。
↓.

今年に入り、ボラティリティが低い相場が続き、1日しかポジションを持たないスイングモデル(オレンジ)はかなり苦戦しているが、1週間程度ポジションを持つドテンモデル(ブルー)は安定した収益を確保している。
スイングモデルのポジションの保有期間は1日なのに対して、ドテンモデルのポジションの保有期間は平均で4.2日と長くなっている。
いろいろと検証してみて発見したことだが、トレンドフォローモデルは短期と中期の時間軸を同時に走らせることで、ボラティリティの影響を受けにくい理想的なポートフォリオになる。
またボラティリティの高い相場であった昨年2022年では、スイングモデル(オレンジ)とドテンモデル(ブルー)どちらも極めて安定した収益になっている。

スイングモデルとドテンモデルのパフォーマンス比較
スイングモデルとドテンモデルの比較
2012年~2023年4月
月次ベースでの比較
スイングモデル | ドテンモデル | 計 | |
損益 | 3,482,000 | 4,825,000 | 8,307,000 |
勝率 | 63% | 63% | 69% |
期待値 | 25,603 | 35,478 | 61,081 |
SR | 0.39 | 0.36 | 0.48 |
相関 | 0.16 |

年次成績
スイングモデル | ドテンモデル | 計 | |
2012 | -15,000 | 65,000 | 50,000 |
2013 | 45,500 | 769,500 | 815,000 |
2014 | 192,000 | 630,500 | 822,500 |
2015 | 110,000 | -71,000 | 39,000 |
2016 | 291,500 | 707,500 | 999,000 |
2017 | 60,000 | 91,500 | 151,500 |
2018 | 579,500 | 699,000 | 1,278,500 |
2019 | 265,000 | -100,500 | 164,500 |
2020 | 537,000 | 616,500 | 1,153,500 |
2021 | 643,000 | 205,500 | 848,500 |
2022 | 802,500 | 863,500 | 1,666,000 |
2023 | -29,000 | 348,000 | 319,000 |
今年2012年や2023のように、スイングモデルがマイナスの時期でもドテンモデルがスイングモデルの損失をカバーし、逆にドテンモデルがマイナスの時期(2015,2019年)においては、スイングモデルが損失をカバーしている。
前述のように、トレンドフォロータイプは、2つの違う時間軸を組み合わせることで、理想的なリスク分散ができることを表している。
スイングモデル(日経VI判定版)とドテンモデルの比較
こちらはスイングモデルに日経VI指数をフィルタにしたモデルと、ドテンモデルとの比較。
2012年~2023年4月
月次ベースでの比較
スイング(日経VI判定版) | ドテンモデル | |
損益 | 5,438,500 | 4,825,000 |
勝率 | 74% | 63% |
期待値 | 39,989 | 35,478 |
SR | 0.58 | 0.36 |
相関 | 0.21 |

年次成績
スイング(日経VI判定版) | ドテンモデル | 計 | |
2012 | 68,000 | 65,000 | 133,000 |
2013 | 333,500 | 769,500 | 1,103,000 |
2014 | 133,000 | 630,500 | 763,500 |
2015 | 201,500 | -71,000 | 130,500 |
2016 | 676,000 | 707,500 | 1,383,500 |
2017 | 261,000 | 91,500 | 352,500 |
2018 | 818,000 | 699,000 | 1,517,000 |
2019 | 250,500 | -100,500 | 150,000 |
2020 | 817,000 | 616,500 | 1,433,500 |
2021 | 802,500 | 205,500 | 1,008,000 |
2022 | 954,500 | 863,500 | 1,818,000 |
2023 | 123,000 | 348,000 | 471,000 |
こちらは更に理想的なポートフォリオになっている。
スイングモデル(日経VI判定版)は年間損失は無く、ドテンモデルの損失を補っている。
単利で+80%のパフォーマンス
ドテンモデルは年平均+400,000円で、ミニ1枚あたり証拠金14万円(2023年4月現在)+MDD(最大ドローダウン)36万円 =50万円を軍資金とした場合、平均年率は単利で+80%となる。
シャープレシオは0.15と極めて安定しているので、Pの公式を使った複利運用でもリスクを抑えてハイリターンも期待できる。
Pの公式(複利運用)を使ったシュミレーション(2012年~2023年4月現在)
スタート資金 50万円 → 17億8,769万円

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