NT倍率が28年ぶりに14倍突破。益々歪む日本の株式市場

Last Updated on 2020年2月22日 by ぷーやん

NT倍率が28年ぶりの14倍で益々歪む日本の株式市場

28年ぶりにNT倍率が14倍になった。

だからどうした?と思っている人は、これがいかに日本のマーケットに歪をもたらしているのかをよく考えてみよう。

NT倍率は2005年から上昇の一途


NT倍率というのは、日経平均株価(N)をTopix指数(N)で割った値

例えば日経平均が23,290円、Topix指数が1670ポイントの場合、
23,290 ÷ 1670 =13.94倍

日経平均株価(N)というのは、ユニクロやソフトバンクGなど日本を代表する225銘柄で構成された平均株価で、Topix指数(T)というのは、東証1部に上場している全銘柄の平均指数だ。

NT倍率が上昇すれば、日経平均株価がTopixより強く、逆にNT倍率が下落すればTopixが日経平均株価より強いということになる。

日経平均はもともと先物主導で、ファンド連中が好んで短期売買の仕掛けに利用するので、どうしてもTopixよりも日経平均の方が強くなる。

日本のマーケットが常に歪んでいる原因の1つがここにある。

ではNT倍率が以前からずっと上昇していたかというとそうでもなく、むしろ1990年からしばらくは逆にNT倍率は下がっていた。

ところが、2005年11月に明らかに潮目が変わり、その後一転してNT倍率は上昇を始め現在までそれが続いている。

2005年に始まった郵政民営化の影響

潮目になった2005年に何が起こったのだろう?

真っ先に頭に浮かぶのが郵政民営化である。

当時の小泉総理が、「郵政民営化に賛成か反対か?あんたはどっちなんだ?」とまるで当て物でもするかのような郵政民営化を問う選挙があったのをご記憶の方も多いだろう。

郵政民営化というのは、もともとアメリカのウォール街の悪い連中が、100兆円以上も郵便局の貯金箱にため込んでいる日本国民のお金を狙い撃ちにして、自分たちでそのお金をぶん取って博打に使ってやろうという魂胆で日本に押し付けた法案。

日本はアメリカの犬だから「わかりました。郵政民営化して、貯金箱を割ることにします」となった。

そしてこのタイミングでNT倍率の逆転現象が始まり、潮目が明らかに変わるターニングポイントとなったのは単なる偶然ではないだろう。

ちなみにNT倍率の潮目が変わる2005年11月には、三陸沖でマグニチュード6.9の地震があり、気象庁から津波注意報が発令している

この6年後の2011年3月に、同じ三陸沖で東日本大震災が発生しているのはもはやご存じだろう。

2005年というのは、何か歴史のターニングポイントだったのだろうか。

NT倍率を利用したシンプルな手法

NT倍率のグラフを見てもわかるように、2005年以降の日本のマーケットは、先物主導の影響で、わずか225銘柄で構成されている日経平均が、2160銘柄で構成されているTopixよりも常に強い状態であるという事はよくわかったと思う。

実はこのNT倍率を利用して、シンプルな手法を思いついた。

225先物ミニとTopix先物ミニを組み合わせたもので、SQの3か月毎に1度だけポジションを入れ替える必要があるが、ほとんど放置プレーの運用だ。

NT倍率が上昇を始めた起点の2005年11月~2020年2月21日現在

ロット 1枚ずつ(225先物ミニ、Topix先物ミニ)
損益 +747,000円
勝率 52.8%
最大ドローダウン 140,500円
50万円スタートの場合、リスク28%、平均年利+10.4%

最低資金は30万円からでも可能だが、運悪く運用開始からいきなり最大ドローダウンに遭遇すると、証拠金(12万円)は残るが、リスク資金(18万円)が枯渇する恐れがある。

それでもNT倍率が今後も変わらず上昇を続けるなら、これほど楽な運用はない。

225先物は流動性の大きさから、短期のファンドの買い入れが大きく、Topix先物は中長期のファンドの買い入れが多いと言われている。

2005年以降はその傾向に拍車が掛かり現在に至っているが、世界的な金融緩和が継続される中、この傾向は今後も継続する可能性が高いと思われる。

今回の記事を良く読めばヒントがあるので、興味のある人は頑張ってやり方を見つけてもらいたい。

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